人工知能は何を見てる? 人工知能による画像認識の仕組みについて
大量のデータから人工知能を学習させる
スマートフォンで人を撮影する時、画面上で顔の部分が枠に囲われます。なぜ、人の顔だとわかるのでしょうか?それは人工知能が、画像から顔の輪郭や肌の質感の組み合わせパターンを認識するからです。それが可能なのは、顔の表情や向き、撮影する明るさなどを変えた顔の画像データをデジタルカメラで収集できるようになったからです。たくさんの顔画像データを、人工知能に何度も繰り返し入力して学習させ、画像認識の精度を上げているのです。
人工知能による画像認識
画像認識によって、人手不足のコンビニでの作業をロボットに任せることができます。例えば、ロボットに搭載したカメラで撮影した画像から商品の位置を認識して綺麗に陳列したり、バーコードを読み取って廃棄したりできます。また、店舗内に設置している監視カメラから、来客した人の老若男女といった属性や、店内での動きを認識し、手や頭の動きからその人が商品の購入を迷ったかどうかまで判別できます。それらのデータは、マーケティング分析にも使えます。
車の自動運転では、画像から信号や標識、進むべき道路、そして歩行者を見つけることができます。さらに、画像から人工知能によって車を操作させる試みも進んでいます。この場合も人が手本となる運転をして、そのときのハンドル操作やアクセル開度などの数値、画像データを人工知能に学習させます。人と異なる操作の数値を出力をしたら、その都度修正して、精度を上げるのです。
人工知能が見ていること
人工知能は学習させるうちに、人に近い判断ができるようになります。例えば自動運転では、左カーブの際は右の車線を、右カーブの時は左の路端の側線、直線の時は少し遠くを着目しています。実は、人工知能の学習には、認識するためにどこを注目しろといった情報は与えていません。学習に用いた大量のデータから共通するところを、人工知能が学びながら獲得した、人工知能の目なのです。人工知能が何を根拠に判断しているのか、それが人に近いと親近感が湧きますね。
参考資料
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中部大学 工学部 情報工学科 教授 山下 隆義 先生
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