空中に3D映像が浮かび上がる! そんな未来がすぐそこにある

空中に3D映像が浮かび上がる! そんな未来がすぐそこにある

空中に映像を浮かび上がらせる技術

映画『マイノリティ・リポート』や『アイアンマン2』に出てきた、3D映像に触れながら操作する様子は、いかにも未来のディスプレイという感じがするでしょう。しかし現在、何もない空間に映像を浮かび上がらせる技術は、どんどん開発が進み、私たちの身近なところで、すでに実用化されようとしています。
現在、開発が進んでいる空中ディスプレイの1つに「再帰反射シート」を使った技術があります。再帰反射シートは道路標識などに使われている、光の来た方向に光を返す特殊な仕組みを持つ反射材です。ガラス板の下にこの反射材を敷き、スマホなどの画面を置くと、画面のレプリカがガラス板の上に浮かび上がるのです。

産業界で注目されるメリット

空中に映像が浮かび上がる技術は産業界でも注目を浴びています。例えば自動車業界では、自動運転化が進む中、車内で映像を楽しむ手段としてこの技術の実用化が進んでいます。車内に突起物を増やすことなく、スクリーンを眺めるように浮かび上がる映像が楽しめるので、安全上もスペースの有効活用という意味でも有意義な技術と言えるでしょう。
トンネルや地下鉄の中でのデジタルサイネージへの活用も注目されています。これまで看板を立てられなかった場所でも、この手法なら、空気の流れを遮ることなく広告表示ができます。「通り抜けできる広告映像」も実現可能です。
目の前の物体に注釈を重ねて表示する拡張現実感(AR)やゴーグルをかけることなく目の前に映像を形成する仮想現実感(VR)技術を可能にするスクリーンとしても実用化が期待されています。

さらに感じるエンターテインメントへ!

人は見たことのない演出にインパクトを感じるものです。飛び出す映像は舞台演出やコンサートといったエンターテインメントでも活用され始めています。映像だけではなく、この技術の延長線上として、輻射熱の赤外線を集めることで「触ると温かい」広告も開発されつつあるのです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。

先生情報 / 大学情報

宇都宮大学 工学部 基盤工学科 情報電子オプティクスコース 教授 山本 裕紹 先生

宇都宮大学 工学部 基盤工学科 情報電子オプティクスコース 教授 山本 裕紹 先生

興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!

光工学

メッセージ

光を研究していて面白いのは、「目で見ているものが、なぜこんなふうに見えるかがわかるようになる」ことです。「虹はなぜ七色に見えるのか」「空の色は本当に青いのか」、あるいは「魚や昆虫の目から見て世界はどう見えるのか」、これらの理解は産業にも応用されています。光の色が違うのは波長が違うからで、波長の違いで、化学物質や細胞の様子がわかります。
人間は光を使って多くの情報を得ています。私は、光を利用して、より豊かな情報インタフェースを創り出すことをめざして研究を続けています。

先生への質問

  • 先生の学問へのきっかけは?
  • 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

宇都宮大学に関心を持ったあなたは

宇都宮大学は、地域デザイン科学部、国際学部、共同教育学部、工学部、農学部、データサイエンス経営学部からなる総合大学で、 宇大スピリット=「3C精神」を大切にしています。これは明るい未来の開拓のために「Challenge」=主体的に挑戦し、「Change」=時代の変化に対応して自らを変え、「Contribution」=広く社会に貢献するという意味を込めた言葉です。これを大学の空気として醸成し、学生と教職員が一体で未来を開拓していく強い決意を込めています。宇都宮大学で学び、共に未来を開拓しましょう!