第二言語の習得は、人生をハッピーにする!

第二言語の習得は、人生をハッピーにする!

第二言語の習得をめぐって

多くの日本人にとって、第一言語(母国語)は日本語、第二言語は英語ではないでしょうか。また、英語を、日本語と同じくらい自在に操れる人は多くはないかもしれません。中には、何年も英語を勉強しているのに、話すのが苦手と思う人や、聞き取りが難しいと感じている人は少なくないでしょう。どうすれば、第二言語(英語)を習得することができるのでしょうか。そもそも、第一言語と第二言語の習得は何が違うのでしょうか。第二言語の習得をめぐって、さまざまな研究が行われています。

臨界期とは

第一言語の習得は音声から始まります。乳児の脳は、周囲が発する音声のパターンを認識し、学習して言語を習得していきます。この能力には臨界期があるという指摘があります。ある時期までに脳に届かなかった音を、脳は認識しにくくなるという説です。例えば、日本人の多くは、英語の「L」と「R」の音の違いを聴き分けることが苦手です。それは、乳児のときに「L」と「R」を聴き分ける必要がなかったために、その力が弱くなったからだと考えられます。第一言語習得の一つの臨界期は生後8カ月から11カ月といわれています。一方、第二言語の習得は音声より文字から始まることが多いものですが、こちらもやはり臨界期があるとされています。

脳が活性化する

大事なことは、臨界期を過ぎても、言語習得は可能だということです。それは、第二言語を習得することによって、脳そのものが変化し、活性化することがわかってきたからです。また、臨界期が過ぎて、ある能力が弱くなったとしても、脳はそれを補う力を獲得できることが、さまざまな臨床例から推察されています。さらに、第二言語の習得によって、認知症の発症を遅らせる可能性があるという指摘もされています。
第二言語の習得は、ビジネスの幅を広げ、他国の人々や文化との交流を活発にして人生を豊かにしてくれます。それだけでなく、脳の健康にもつながるのですから、まさに「人生をハッピーにしてくれる」ものなのです。

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先生情報 / 大学情報

武蔵大学 国際教養学部 国際教養学科 グローバルスタディーズ専攻 教授 ジェイソン ホロウェル 先生

武蔵大学 国際教養学部 国際教養学科 グローバルスタディーズ専攻 教授 ジェイソン ホロウェル 先生

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英語学、外国語学、脳科学

先生が目指すSDGs

メッセージ

母国語以外のもう1つの言語、すなわち第二言語を「自分のものにする」と、人は想定以上に大きく成長することができると思います。私自身、日本語を習得したことによってその後の人生は大きく変わりました。忘れてはいけないのは「自分のものにする」、つまり自発的な意思によって学ぶことです。
もしあなたが英語は苦手だと思っていたとしても、自らの意思と目標を持って積極的に取り組むと、きっと楽しくなるはずです。第二言語を習得して後悔することはありません。ぜひ、チャレンジしてください。

先生への質問

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武蔵大学の特長は、充実したゼミ教育にあります。平均13名の少人数で開講されるゼミは約400種類。1年次からゼミや少人数形式の授業がスタートします。学生は教員や仲間との対話を通じて、物事の本質を見極め追究していきます。「ゼミ対抗研究発表大会(経済学部)」、「卒業論文報告会(人文学部)」、「シャカリキフェスティバル(社会学部)」、「Capstone Project Symposium(国際教養学部)」など、各学部内で発表・報告を行う機会があり、発信力を鍛えるとともに成果を生み出す喜びを体験できます。