進化するICT どう活用したら誰もが楽しめる英語教育になる?

進化するICT どう活用したら誰もが楽しめる英語教育になる?

英会話への不安を軽減するICT授業

英語が苦手、話すのが嫌だという児童生徒はたくさんいます。要因のひとつとして、英語に対する不安感があります。「人前で発音するのは恥ずかしい」「失敗したくない」といった不安を抱える子もいるでしょう。不安を軽減し、自然に話せる環境を作ることが大切です。そのために有効なのが、ICT(情報通信技術)の活用です。

海外の生徒と直接会話して成功体験を

オンライン授業は画面上のため、クラスメートの前よりも発言しやすくなります。1対1なら、失敗しても気にならない環境を作り出せるうえ、話さないと会話が進まないので、発話量が自然と増えます。チャット機能を活用すれば質問しやすいという側面もあります。
また、海外の教室と日本の教室をビデオ通話でつなぎ、リアルタイムで海外の児童・生徒と「国当てクイズ」をすることも効果的です。情報を得るために英語で質問し、相手はYESかNOでしか答えられないルールで、相手の国を当てるゲームです。グループ対抗戦なので不安感も軽減され、ゲーム感覚で英語が通じる成功体験を得ることができます。小学生など英語を学び始めた子や苦手意識が強い子は、事前にゲームの準備をすると、より楽しめるでしょう。

成果が上がるICT活用法の構築が必要

それでも、失敗して苦手意識が強くなる子もいます。そして、国当てクイズを進行するにはリスニング力も必要です。そのための手立てとして有効なのが、特定のグループ同士で動画を共有できるアプリケーションです。国当てクイズの様子を記録した録画や、追加質問などの動画をアップできます。相手が話している英語表現に字幕をつけることもでき、復習に利用できます。これらを繰り返すことで、失敗をフォローアップしつつ苦手意識の解消を図っていきます。
次々と登場する便利な機能を、どう活用すれば英語の学習が楽しくなるのか、検証することが重要です。それが、小学生から大学生まで、誰もが楽しくコミュニケーションできる場の提供につながっていきます。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

大阪教育大学 教育学部 教員養成課程 初等教育部門 特任准教授 小林 翔 先生

大阪教育大学 教育学部 教員養成課程 初等教育部門 特任准教授 小林 翔 先生

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教育学、英語教育学

先生が目指すSDGs

メッセージ

小学校からの英語授業が始まり、どう教えたらいいか戸惑う教員が多いのが現状です。これからは、教育にICT(情報通信技術)を活用する時代であり、Z世代のあなたが得意とする分野で活躍できるチャンスです。
今から教員をめざす人たちは、ICTに関して活用できる即戦力としてスタートでき、現場でとても頼りにされるでしょう。ICTは便利ですが、いかに有効活用するかが重要です。大学で実践的に学び、英語力と指導力、ICT運用能力を身につけて、現場で活躍できる教員をめざしましょう。

先生への質問

  • 先生の学問へのきっかけは?
  • 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

大阪教育大学に関心を持ったあなたは

本学は、我が国の先導的な教員養成大学として、教育の充実と文化の発展に貢献し、とりわけ教育界における有為な人材の育成をとおして、地域と世界の人々の福祉に寄与する大学であることを使命としています。この使命を達成するため、実践的な教職能力を養う優れた教員養成教育を推進し、豊かな教職能力を持って教育現場を担える学校教員を育成するとともに、学術と芸術の多様な専門分野で総合性の高い教育を推進し、高い専門的素養と幅広い教養をもって様々な職業分野を担える人材の育成をめざしています。