日本人にとって中国語は「難しい言語」なのか?
漢字を1000文字覚えると中国語が読める?
中国語は「世界で一番難しい言語」の一つと言われています。中国語には漢字が使用されていることがその理由のひとつですが、同じく漢字を使う日本人にとっても、中国語の習得は難しいのでしょうか? 統計によれば、中国で頻繁に使われる漢字はわずか581字。全文章の六割以上がこの581の常用漢字を使い、さらに、八割以上は1000字の常用漢字から成り立ちます。また、日本の常用漢字は2136字ですが、中国語の「簡体字」の約六割は日本の漢字と同じです。中国語を習うなら、他国の人と比べてもかなり有利と言えるでしょう。
同じ漢字でも全く異なる意味を持つことも
「日中同形語」という言葉をご存じでしょうか。これは、中国語と日本語、両方で使われている語のことです。日中同形語は一万以上あるといわれています。ただ、ここで気をつけなければいけないのは、日本語と同じ漢字表記だからといって、必ずしも同じ意味ではないということです。例えば「走」という単語は中国語では「歩く」、「手紙」は「トイレットペーパー」を意味します。日本語と同じ漢字・単語だからとそのまま使ってしまうと、誤解を生む可能性があります。
日本から輸入された中国語
中国語には、ほかの国から輸入された「外来語」もあります。日本から輸入された言葉は多く、それらはいくつかの方法で中国語化されています。わかりやすいのは、漢字表記を簡体字にし、発音は中国語にするというもので、「人气」や「腹黑」などがあります。どの日本語が元になっているのか想像できるでしょう。また、日本語のニュアンスや意味をくみ取り、翻訳する方法もあります。例えば「オタク」は「宅男宅女」、「壁ドン」は「壁咚」に変わります。このように、中国語は日本人にとって親しみやすい言語なのです。
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福岡大学 人文学部 東アジア地域言語学科 准教授 謝 平 先生
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