性格を5つの特性で表す! 適材適所につながるビッグファイブ
5つの特性を数値化して人の性格を探る
心理学には、「心理統計学」という領域があり、いくつかの特徴から人の性格を測るものさし(心理尺度)を作り、人の性格特性を調べます。「ビッグファイブ」は、5つの特性、「外向性」「神経症傾向」「開放性」「勤勉性」「協調性」で人の性格を表す方法です。
それぞれの特性の例を挙げると、「外向性」には積極的か消極的か、「神経症傾向」には細かい点まで気にするか、あまり物事を気にしないか、「開放性」は新しい物好きかなじんだ物を好むか、「勤勉性」は物事にきっちり取り組むかルーズか、「協調性」は人に合わせるのが好きかどうか、などの側面があります。
世界中で使われるビッグファイブ
ビッグファイブを測定する心理尺度では、「無口」「社交的」「怒りっぽい」といった特性に関する質問項目に対して、当てはまるか、当てはまらないかといった選択肢によって回答をします。その結果から5つの特性の度合いを計算すると、「神経症傾向が高くて、外向性が低い」といったその人の特性を目に見えるチャートなどで表せるようになります。ビッグファイブは、1980年代頃から注目されるようになり、90年代になって5つの特性が、国・地域を問わず人の性格に見られることがわかってくると、世界中で使われるようになりました。
職業選択や教育、恋愛など幅広い場面で活用
ビッグファイブは、仕事や子育て、教育、恋愛などさまざまな場面で活用されています。例えば、さまざまな仕事をしている社会人のデータから平均値を出した調査では、営業職や販売職は外向性が高いこと、研究職は外向性が低いこと、プログラマーの人は神経症傾向が高いことなど、さまざまな職業における性格傾向が示されます。こういった傾向は、自分がどの職業に就くべきかの検討や、企業の人事担当者が人員配置を判断する時の参考になります。また、近年はSNSやツイートをテキストマイニングと呼ばれる手法で分析して性格を推測するなど、測定方法もさらに発展・多様化してきています。
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先生情報 / 大学情報
愛知学院大学 心身科学部 心理学科 准教授 谷 伊織 先生
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