楽しく歌って「伝える力」を身につけよう!
声楽家は声質を使い分けて表現している
人の声には5つの要素、➀大小、➁高低、③スピード、④間合い、➄声質があり、それを使い分けて話したり歌ったりしています。歌う場合、➀~④まではすべて楽譜に書いてあり、その指示に従います。唯一、差別化できるのが➄の声質です。声楽家は舞台パフォーマンスにおいて、楽譜通り上手に歌うことはもちろん、詩に描かれた意味を正確に理解したうえで、表情や動きとともに声質を変え、喜怒哀楽を演じ分けています。また、第一印象が良くなるよう、美しく見える立ち姿を習得するなど、「伝える」ための表現力を身につけています。
声楽の表現力はプレゼン力に通じる
声楽の表現力は、社会に出た時に必要なコミュニケーション能力やマナーの向上にも役立つと考えられています。相手に提案し行動を促すプレゼンテーションは、伝え方が問われます。第一印象を左右する態度や姿勢、提案する時の表情や話し方は、プレゼンの成否に関わる重要な要素ですが、それぞれに苦手意識を持っている人は少なくありません。声楽家が身につけている表現力は、プレゼンのみならず社会ニーズへの柔軟な対応力になり得ることから、声楽や音楽の学びを通してミュージカルの舞台は勿論、表現力を身につける取り組みも始まっています。
大切なのは楽しく学ぶこと
「エデュテインメント」という言葉があります。エデュケーション(教育)とエンターテインメント(娯楽)を合わせた、「楽しみながら学ぶ」を意味する造語です。このエデュテインメントを、学校教育に取り入れる試みが進んでいます。就学前の子どもは、自由に歌ったり踊ったりすることになんの抵抗もないのに、学校で音楽という授業になり、教科書通りの表現を求められると、歌うことが嫌いになることがあります。しかし、声を出して歌うことは表現力を身につけるうえで不可欠なことです。楽しく歌うことでいつの間にか表現力を身につけられるよう、エデュテインメントを授業に効果的に取り入れる方法が注目されているのです。
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先生情報 / 大学情報
フェリス女学院大学 グローバル教養学部 文化表現学科 音楽・身体表現専攻 ※2025年4月開設 教授 土屋 広次郎 先生
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