「音楽×◯◯」で新たな視点を養い、社会とのつながりを考える
音楽にほかの要素を加えてみる
私たちは、コンサートや音楽配信サービスなどを通じて、音楽に親しんでいます。こうした音楽のあり方の一方で、作曲家の中には音楽以外の要素と関わりあって作品をつくるという人もいます。そして、それがどのような可能性をもち、どのような影響を聴き手や参加者に与えるのかについて考える研究が行われています。
新たな視点や気づきを促す
研究活動は「音楽×◯◯」というイベントを通して行われます。たとえば「虫と音楽」というイベントでは、昆虫博士から虫が発する音について学んだ後、虫の音を模倣して音を創りそれらを重ねていく体験をしたり、虫がテーマの音楽を鑑賞したりします。昆虫好きな参加者は音楽の魅力にも出会い、音楽好きな参加者にとっては楽器の音だけではなく自然界の音にも向き合う場となりました。また、「木」を素材として「音」を創りだす、子どもを対象としたワークショップでは、樹木について学び、創作することで、理科や算数、図工などの能力を養うことにもつながります。
弦楽四重奏作品とカエルの鳴き声による田んぼの中での音楽会では、弦楽器の音が大きくなるとカエルも反応して鳴き声が大きくなるという現象に、参加者には予期せぬ感動や新たな気づきを促すことができます。
音楽創作を身近なものにする
今後は、家の中と外をつなぐ場である「庭」での音づくりワークショップが考えられています。風の音や鳥の鳴き声、街のざわめきなど様々な音を感じ取り、その音に対して自分が考える音を重ねる体験を通して創作を学びます。音楽教育の現場において、創作活動はハードルが高いと捉えられがちですが、こうしたワークショップが創作を身近なものにしていくと期待されます。
また、日本の各地域や他国に伝わる音楽の仕組みや文化的背景を活用して、新たな音楽を創作することも考えられます。多様な要素と関わり合いながら創作することは、多角的な視点や考え方を養い、人は常に社会と関わりながら生きているということを考えるきっかけにもつながるのです。
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