海外での先生体験は受講生の新しい自分像を生み出す
海外にルーツを持つ児童生徒の急増
日本を訪れたり日本で働いたりする外国籍の人が急増しています。それにともない、日本の小中学校に通う「海外にルーツを持つ子ども」も増加の一途をたどり、教育現場がグローバル化しています。こうした異なる文化、宗教や言語を背景に持つ児童生徒の増加は、学校教育の現場に新たな課題を生み出しています。
グローバル世界で活躍する人材育成
グローバル社会の中で、持続可能な社会の仕組みを作り出すにはどうしたらよいでしょうか。これには世界中の多くの知識や人々の力をまとめ、次の社会へとリードする人材が求められます。このためグローバルな視点を持つ教育プログラムを開発し、教育していく必要があります。
例えば教員養成の観点で考えると、価値観や習慣など文化的背景の違いや宗教的背景の違いにどのように対処していくか、といった課題を解決する能力の養成には、従来の教育の仕組みでは不十分です。一方、理系研究者養成の観点で考えると、社会での自己実現のためには異なるバックグラウンドを持つ人たちに専門的な内容を伝えるマインドの養成が必要になります。
海外の若者に、日本の先端科学・技術を伝える
グローバルリーダー養成の方策として考え出されたのが、学際的なチームを組み、学生自らが主体的に学ぶ教育プログラムです。価値観や文化が大きく異なる「文系」と「理系」の学生が協働して、最先端の科学研究をもとに教材や教育プログラムの開発を行います。この教材を使いながら、ASEAN諸国の高校で、英語で日本の先端科学・技術を伝える科学教育を実践します。従来の教育活動の枠を超えた経験を積むことにより、グローバルな視点を持つリーダー人材の養成が期待されます。
今、海外で注目される日本は、サブカルチャーの世界です。しかし、このプログラムでは日本の先端科学を教材として紹介しつつ、海外の若者が日本の科学・技術文化に触れ、もう一度科学・技術の面から尊敬される日本を取り戻すためのものでもあるのです。
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先生情報 / 大学情報
千葉大学 教育学部 学校教員養成課程 養護教諭コース 教授 野村 純 先生
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