海を知る、地層を知る、地球を識る
地層は「地球史」という本の1ページ
地質学は地球に関連するさまざまな現象を研究する学問分野で、地層、断層、地震、地殻変動、海底鉱物資源、化石、古生物、古環境、海洋地質などのさまざまな要素を含んでいます。例えば「地層」を例に挙げると、1つの地層は地球史という46億年分の本の1ページに相当します。その1ページのなかには、その時地球で起きた大小さまざまなイベントが記録されます。そして本は時に破れることがあります。これが断層や不整合という時間的なギャップに相当します。
海と陸の地層のつながりを知る
地層は陸から海へつながっています。海底の地層を調べ、そのつながりを知ることができれば、陸上調査だけでは得られない地質の情報を取得できます。それを基に研究対象地域の地質の歴史や、断層などの地質構造の分布を明らかにします。具体的には、千葉県房総半島沖の海底地質を、音波を使って調査することで、陸上の地層だけではわからなかった千葉県の成り立ちが明らかになってきています。また、海陸の地質のつながりを知ることができれば、洋上風力発電所などを海上に建設する際に必要な地盤の情報をより正確に得ることができます。さらに、海底の活断層の位置がわかれば、地震への備えに役立ちます。
過去の海でできた地層から古生物の進化がわかる
かつての海洋でできた地層には、古海洋の化学的情報(化学組成や同位体の変化)や、当時の生物の記録(化石)が保存されていることが多々あります。両者を調べることで、古海洋環境が当時の生物にどのような影響を及ぼしていたか知ることができます。例えば、約5億4千万年前にカンブリア爆発という生物進化上の一大イベントが当時の海洋で起こりました。この時期の化石とそれらを含む地層を調べることで、カンブリア爆発の謎を解明する調査が進められています。
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先生情報 / 大学情報
東京海洋大学 海洋資源環境学部 海洋資源エネルギー学科 助教 古山 精史朗 先生
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海洋地質学、地球化学、古生物学先生が目指すSDGs
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