社会で活躍する人を育てるには? 教育カリキュラムの裏側をつくる
教育カリキュラムの裏側をデザインする
学校での授業は、教える先生をはじめ、多くの人の手で作り上げられています。適応力のある人材育成のためには、現場の先生たちだけで取り組むには限界があります。先生たちの活動をサポートできるような、教育カリキュラムの裏側の仕組みをデザインする必要があります。
高校生と大学生が交流
その一例として、「総合的な学習(探究)の時間」に、首都圏の高校生が、地方の人口減少をくいとめ、活性化させる「地方創生」について、大学生とオンラインや対面でやり取りしながら学んだケースを取り上げます。オンラインでの交流となったのは、コロナ禍による移動制限があったからです。
高校生は、以前校外学習で訪れた新潟の、学習に必要な情報を大学生に頼んで集めてもらい、それらをまとめて校内で発表しました。高校生は学んだことを他の生徒の前で発表することで、地方創生というテーマについて学び手から伝え手に変わりました。授業後も、対象となった新潟の地域に関連するアカウントをSNSでフォローし、自主的な学びが継続しています。
このプログラムは、大学と高校の先生の間で学びをどう支援していくのかを考えながら進められました。教科書的な学びにならないよう、高校生と大学生が話し合い、高校生が主導で進める形になりました。その結果、大学生にとっても、地方創生という大きなテーマを、地元の課題に引き寄せて考える学びとなりました。さらに、高校の先生たちにとっても、次年度以降のカリキュラムづくりに生かせる経験が得られました。
効果的な教育システムを作るには
このような多くのステークホルダー(利害関係者)が関わる教育カリキュラムは、関係者間の調整が大変ですが、失敗も含めて大きな教育効果が期待できます。学校教育で学んだものを社会で活用する機会にもなります。児童・生徒・学生を育てるのに、ほかの教育機関や地域の人たちの力も借りて、コミュニティ全体で、人を育てるシステムを作ることが求められています。
※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。
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先生情報 / 大学情報
新潟大学 創生学部 准教授 澤邉 潤 先生
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先生への質問
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