新しいリーダーシップ!? 「ファシリテーター」とは

新しいリーダーシップ!? 「ファシリテーター」とは

潜在的な力を表に引き出す

アクティブ・ラーニングとは、先生による講義を聞く形式ではなく、グループワークなどをともなって生徒が積極的・能動的に意見交換し、議論を行うスタイルの学びです。ここでよく活用されるのが「ファシリテーション」です。
ファシリテーションとは、複数人が集まった「場」にある潜在的な力を最大限に引き出していくためのものです。人は誰でもアイデアなどを持っているものですが、それをうまく表明できる人ばかりではありません。だからこそファシリテーションによって、その内にある力を表に出してもらえるよう工夫するのです。

議論の活性化で気づきや可能性を生み出す

ファシリテーションスキルを活用していく人のことをファシリテーターと呼びますが、従来の先導型リーダーとは違い、新しいリーダーシップとも言われています。アクティブ・ラーニングでは先生がこの立場に立つことが多いと思われますが、生徒の側にファシリテーター役が現れると、さらに話し合いは活発化します。
加えて、ファシリテーションは「決められたゴールへの到達」を目標としていません。それよりも、多くの意見が出ることで「新しく」「楽しく」「思いがけない」気づきや可能性が生み出されることを重要視するのです。

多様性の受け入れにもつながる

現在、教育やビジネスの現場で認知度が上がりつつあるファシリテーションですが、それが活用される分野はそれにとどまりません。まちづくり、アート、国際協力など、様々な分野ですでにファシリテーターの重要性は認知されています。つまり、ありとあらゆる人に可能性があるという前提に立つファシリテーションは展開できる場面に限りはなく、多様であることはメリットです。
ファシリテーターの個性は十人十色であってよく、特別なスタイルが決まっているわけでもありません。みんながファシリテーターマインドを持つことができれば、より大きな充足感が得られるはずです。その先には、人も組織も変化して、「みんなハッピー」が実現されていくのではないでしょうか。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。

先生情報 / 大学情報

拓殖大学 国際学部 国際学科 准教授 石川 一喜 先生

拓殖大学 国際学部 国際学科 准教授 石川 一喜 先生

興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!

教育方法論、国際開発学

先生が目指すSDGs

メッセージ

これからはとても不確実性が高く、複雑・多様な先の読めない社会になっていくでしょう。そこに不安を覚える人もいるでしょうが、それを解消してくれるものの一つがファシリテーションです。様々な課題や悩み事があっても、ファシリテーションを通してみんなで知恵を出し合いながら前進していけば、きっと明るい未来につながっていきます。だからこそ、今もこれからも、「こんな自分になりたい」「こんな社会を実現したい」といった思いを意識して周囲と関わることに努めてほしいです。

先生への質問

  • 先生の学問へのきっかけは?
  • 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

拓殖大学に関心を持ったあなたは

拓殖大学がテーマに掲げるのは「世界で、自分を拓く」。短期・長期でさまざまな国・地域に留学できる海外研修をはじめ、国内においても外国語を専門とする大学に匹敵する14の言語科目、多くの国・地域から集まった多数の留学生との交流など、国際社会の明日を担う人材の育成をめざして、拓殖大学ならではのグローバルな教育環境を用意しています。