経営学の視点から「ホテル」について考える
ホテル業界はホワイトなの? ブラックなの?
ホテル業界を含む「宿泊業・飲食サービス業」は、新入社員の3年以内の離職率が50%を超えています。しかし、それをもって「ホテル業界はブラックだ」とは言い切れません。ホテル業界では、複数のホテルで経験を積みキャリア・アップする人が多く、業界内で何度も転職を繰り返すようなケースは珍しくありません。このような「ポジティブな離職」がある一方で、「思っていたのと違う」といった理由から「ネガティブな転職」があることも事実です。このようなミスマッチを防ぐためにも、ホテル業界を目指す人は、良い面だけでなく悪い面も含めた「ハタラキカタ」につい学ぶことが求められます。
経営者はオーケストラの指揮者のようなもの?
マネジャーとは「マネジメントをする人」という意味です。マネジメントとは辞書では「経営」や「管理」などと訳されます。つまりマネジャーとは、「ヒト、モノ、カネ、情報」といった経営資源を管理し、企業(組織)の目標を達成へと導く存在と言えます。経営学者のピーター・ドラッカーは、マネジメントを担う人材、つまりマネジャーを「オーケストラの指揮者」に例えています。それぞれの演奏者を統合し、演奏を成功に導く指揮者の取り組みはマネジメントの好例と言えるでしょう。
マネジメントは管理職だけが意識するもの?
ホテルには、総支配人(英:ゼネラルマネジャー)や、各部門の支配人(英:マネジャー)といった管理職が存在しますが、お客様にモノやサービスを提供する現場の従業員たちは、その都度マネジャーの指示や判断を仰ぐ訳にはいきません。一人一人の従業員が、企業(組織)が達成すべき目標を理解し、目の前のお客様の満足だけでなく、その日の売上や費用といったものまで意識し、自分の判断で行動することが求められます。こういった点からも、マネジメントは管理職だけが意識するものではなく、すべての従業員が意識すべきものであるということがわかるでしょう。
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神戸国際大学 経済学部 国際文化ビジネス・観光学科 講師 服部 淳一 先生
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