AIによって、これからの社会はどう変わるか?
AIとは、そもそも何か?
AI(人工知能)とは、コンピュータが、人間のような知的で高度な情報処理を行うための技術です。その正体は、コンピュータを稼働させるためのプログラムの集合体です。初期のAIは、エアコンや洗濯機などを制御する比較的単純なプログラムから始まり、その後はコンピュータがデータを取り込んで学習する「機械学習」によって発展しました。2007年頃から、ディープラーニングと呼ばれる多階層ニューラルネットワークによるデータ分析が導入されると、AIの性能は飛躍的に向上しました。
人の顔を見分けられるAIの仕組み
AIとカメラを組み合わせて、人間の顔を認識させる仕組みを例に考えてみましょう。これは人間の目の役割を補う、画像認識の機能です。複数の顔写真のデータにそれぞれ人の名前などをラベル付けしてコンピュータに読み込ませ、顔認識に特化したライブラリのデータに基づいて、その人の顔の微細な特徴をAIに学習させます。すると、カメラの前に人が現れた時、その人が誰なのかをAIが瞬時に識別するようになります。
AIには、人間の性別や年齢層を識別させることもできます。最近はプライバシー保護の観点から、個人情報の取り扱いには注意が必要ですが、例えば撮影した顔の部分にぼかし加工を入れつつ、性別と年齢層のデータだけ抽出するといった仕組みも、AIとアプリケーションの開発によって実用化できると考えられます。
総合的な判断と柔軟な対応ができるAI も
ほかにもAIには、人工衛星から送信された画像の分析や、外国語の翻訳、車やロボットの制御など、社会の中で活躍が期待されている分野が数多くあります。現時点では、それぞれ狭い分野に特化した事例が多く、人間のように総合的な判断と柔軟な対応ができるAIが登場する段階には、まだ至っていません。しかし、今後のさらなる性能の向上によって、人間の理解を超える発見や分析をAIがもたらしてくれる可能性は、非常に高いといえるでしょう。
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埼玉学園大学 経済経営学部 経済経営学科 教授 森 雅俊 先生
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