心理学で学ぶ、緊張との付き合い方
心理学を学べば緊張する仕組みがわかる
たくさんの人の前で話すと、緊張して上手に話せなくなる人は多いでしょう。緊張すると、言い間違いをしてしまったり、頭が真っ白になってしまったりします。心理学を学べば、人間がどういう原因や仕組みで緊張するのかがわかるようになります。そして緊張する仕組みがわかれば、冷静に対処することができます。緊張の原因がどこにあるのかがわかり、自分を客観的に把握することで、緊張と上手に付き合っていけるようになるでしょう。
自分で自分に注目し過ぎると
人はなぜ緊張するのでしょうか? 「今日は絶対に緊張しないぞ!」と気合いを入れるだけでは乗り切れません。緊張の原因のひとつに「自己注目」が挙げられます。これは、必要以上に自分で自分に注意を向け過ぎてしまうことです。例えば、面接のときに「部活を途中でやめてしまったことを聞かれたらどうしよう?」といった具合に、自分のネガティブな点だけに目を向けてしまう経験をしたことはないでしょうか。自分が思っているほど他人は自分を見ていません。自分に注目し過ぎて不安になるのではなく、周りに注意を向けることで緊張をある程度和らげることができます。
緊張と上手に付き合う方法
人前で話すときは誰でも緊張します。周りもあなたがそのような状況に置かれていることをわかっていると考えてみましょう。可能であれば、緊張していることを口に出してみると少しラクになるかもしれません。気にしている自分の弱点を隠そうとするのではなく、オープンにしてしまうのです。実は自分の感じ方と周りの感じ方は異なります。例えば、手の震えは自分ではものすごく震えているように感じますが、客観的に見たら大して震えてはいないかもしれません。不安と緊張を無理に取り除こうとするのではなく、上手に付き合っていけばよいのです。
不安や恐怖は危機を知らせてくれる感情で、生物が生きていく上で欠かせません。自分が緊張していることを認識しながら、緊張の背後にある不安と共存していくのが理想の状態といえるでしょう。
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先生情報 / 大学情報
埼玉学園大学 人間学部 心理学科 准教授 泉水 紀彦 先生
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