プレーは数値化できる! データがスポーツをより面白くする

プレーは数値化できる! データがスポーツをより面白くする

高まるデータの価値

近年、スポーツにおけるデータが持つ価値は加速度的に高まっています。データ解析技術が高まったことに加え、データは客観的で説得力があり、プレーの再現性を担保してくれるものだからです。データの活用方法が最も難しいとされる競技がサッカーです。攻守の区別が難しく、ポジションが絶えず変化することで複雑系競技の代表格とされますが、だからこそさまざまな切り取り方、活用の仕方が模索され、学術的な専門分野としても広がりを増しています。

プレーを採点し、特徴や傾向を把握する

現在進められている研究の一つにプレー採点技術の実現があります。これはパスやドリブル、ポジショニングなど、プレー動作を36項目に分けて、正確性、難易度などをAIによって測定し、採点することを目的とした研究で、選手の特徴や傾向も分析可能です。この技術が確立すれば、これまで経験や感覚で伝えられてきたプレーのコツも、データに基づいて理論立てた指導が可能になります。一部の優れた選手だけができるスーパープレーも、誰にでも習得の可能性がある技術になるという効果もあります。実用化すれば、スポーツの普及や選手の育成強化に大きく寄与する可能性を秘めています。

影山優佳はなぜすごい?

しかし、データはあくまでもデータであり、それをどう現場にフィードバックするか、あるいはファンに発信できるか、という活用や運用のできる人材も同時に重要です。日本でもJリーグクラブにアナリスト(データ分析官)としての雇用が広がりつつありますが、こうした人材に必要なのがサッカーを論理的に見られる能力です。2022年のカタールワールドカップでは、アイドルグループ「日向坂46」の影山優佳さんが解説で大活躍されました。彼女のすごさはデータをなぞるだけではなく、サッカーを論理的に見る視点にこそあります。「なぜ?」の疑問と「理由は」の探究心の両方を持ち、自分なりの見立てをする繰り返しが、試合を論理的に見る能力を養うことにつながります。

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先生情報 / 大学情報

びわこ成蹊スポーツ大学 スポーツ学部 スポーツ学科 コーチングコース 教授 山田 庸 先生

びわこ成蹊スポーツ大学 スポーツ学部 スポーツ学科 コーチングコース 教授 山田 庸 先生

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測定評価学

先生が目指すSDGs

メッセージ

近年はスポーツを「見る」「支える」という分野が重要視されるようになってきています。「観戦が好き」「データが好き」「映像編集が好き」など、スポーツへの関わり方はいろいろとあるので、ぜひ好きなことをやってみてほしいですし、その中で必要なICT(情報通信技術)スキルを磨くために、エクセル、ワードなどのソフトに触れる機会も作りましょう。また、論理的思考も欠かせません。「why」と「because」を大事にして、疑問をかみ砕く、理由を見つけ出す習性を身につけてほしいです。

先生への質問

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びわこ成蹊スポーツ大学に関心を持ったあなたは

本学は、体育大学ではなく日本で唯一のスポーツ大学として“新しいスポーツ文化の創造”を目指しています。年齢や性別や境遇を超え、スポーツを全ての人々に楽しんでもらいたいと願い、新たな挑戦を続け進化していくためにスポーツを総合的な視野から見つめ、深い知識と実践力を備えた人材の育成を心がけています。また、自らの可能性を新たに発見し、主体的に学ぶ積極的な姿勢を身につけ、前向きに働きかける事ができる人間力を養っています。私達と共に学び、“夢”を実現させましょう。ぜひ本学でお会いできる事を楽しみにしています。