みんなが幸せに暮らせる方法を、スポーツから考えよう
盛り上がりが持続しないスポーツ
東京マラソンや国際的なサッカーなどの大会では、大きな経済効果が見込まれます。卓球のTリーグやバスケットボールのBリーグなども同様です。しかしこうした効果は一過性になりがちで、経済格差のある都市部と地方では、同じ規模の効果は望めません。経済に価値をおいた視点では、規模や集客において、地域による不公平感があります。みんなが満足するスポーツ活性化の方法はないのでしょうか?
もっと身近に、もっと気軽に
最近はスポーツを観戦するだけでなく、実際に体験する人が増えています。運動部の厳しい練習のようなものではなく、スポーツは今後ますますエンターテインメント化されて、身近で気軽なものになるでしょう。国もスポーツ振興に力を入れています。健康な国民が増えれば、国の医療費負担が減り、私たちの税金の負担も減ります。そうなれば国民も国も幸せです。さらに世の中は、スポーツでもうけるといった経済価値中心の思考から、取り巻く環境すべてを活性化させるための一つの要素という思考へシフトしています。つまり、最も大切にすべきはスポーツから学ぶ教育価値と、スポーツ環境です。さらに都市やまちづくり、コミュニティといった社会価値、最後に経済価値です。スポーツを単独ではなく国や都市、ITや環境、教育などトータルで見る視点が必要です。
アーバンスポーツでパーク化
東京五輪で注目された都市型(アーバン)スポーツの日本での活性化は、今後の注目ポイントです。例えば、公園内にスケートボードやBMXなどの自転車競技を楽しめる場所があり、その横にフラダンス教室があり、さらにコンサートも開催できるような公園があればどうでしょう。フランスをはじめとした海外には、すでにあります。日本式の公共施設の枠を超え、集うみんなでルールを決めた「新しい公共」を実現し、パーク化させるのです。ここではさまざまな世代同士の交流が期待できます。スポーツは、そうした場づくりに貢献できるのです。
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大阪経済大学 人間科学部 人間科学科 教授 相原 正道 先生
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