国際政治を考える 遠い国の非日常による、あなたの日常の変化

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一国では解決できない問題

身近なお菓子やパンが値上がりしている背景には、ウクライナで戦争が起こり、小麦価格が高騰したことが深く関係しています。ほかにも石油や天然ガスの供給ひっ迫、温暖化の進行、あるいは新型コロナウイルスの感染拡大なども世界中で起こっている問題で、日本だけでは解決できません。このように一つの国だけでは解決できない「グローバル課題」は数多く存在しており、国際社会が協力しながらさまざまな方法で解決を図っています。

原子力の平和利用

原子力の利用もグローバル課題に含まれます。原子力開発の技術は核兵器開発と共通する部分が多く、また福島の原発事故のようなリスクとも隣り合わせです。一方で安定的な電力供給減である原子力には、日本を含む「脱炭素社会」をめざす国の多くが頼っているのも現実です。1970年に発効された「核兵器不拡散条約」では、原子力の平和利用は各国の権利として認められていますが、その技術を、平和利用を装って核兵器開発に使おうとする国も存在します。そのためアメリカを中心とする国際社会は条約などをつくって、「濃縮」「再利用」といった核兵器に転用できる技術の利用を国によって制限するなど、「外交」の力で原子力のリスクを抑えようとしています。

歴史と現状を知る

原子力を含むグローバル課題や安全保障について考えるためには、「今何が起きているのか」と「今こうなっているのはなぜか」という視点が不可欠です。前者を明らかにするためには、各国政府が発表する公式文書や、関係する会議の議論などを分析します。後者においては過去の外交文書を分析し、いつ、どのような会議で、どのような議論が行われたのかを調査して、利害が反する国々がある場合は双方の立場にたって考えます。
原子力に限らず、どんなことにもよい面とリスクがあります。そうしたリスクを抑えるために行われてきた国際社会の働きについて研究することは、より平和で、良い生活ができる世界をつくることにつながるのです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

大阪経済大学 国際共創学部 国際共創学科 准教授 友次 晋介 先生

大阪経済大学 国際共創学部 国際共創学科 准教授 友次 晋介 先生

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国際政治学、国際関係論

メッセージ

あなたが将来どんな仕事についたとしても、その仕事には「世の中の文脈」が関わっています。例えば壁紙を売る仕事であれば、原料の生産地や国際的なマーケット、取引に関連する国同士の関係性や争いなど、「壁紙」の背景にある多くの文脈と切り離すことはできません。資源やエネルギー、安全保障を含むさまざまな要素が絡み合う文脈を理解することは、自分の仕事の質を上げる上でも、さらにその先に豊かな人生を作る上でも、非常に重要なのです。

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