体と心を健康に導くスポーツ科学
人によって必要な運動量は違う
体を動かす目的はダイエットや健康維持、美容のためなど人それぞれです。しかし間違った方法を続けても期待通りの効果は得られません。また誰もが同じ運動を行えばいいというわけではありません。体形や年齢によって適切な運動量が違うからです。
プロのアスリートにも同じことが言えます。アスリートがより良いパフォーマンスを行うためには、日頃のトレーニングが欠かせません。しかしトレーニングだけではなく、睡眠や栄養などの生活習慣から整えることも重要です。また、子どもは大人の縮小版ではありません。発育発達状況に見合った運動量でスポーツに親しむことが、その後の競技人生を支える土台になります。間違ったトレーニングはかえってパフォーマンスを低下させます。
高齢者の生活に運動を取り入れるために
自分に適量の運動を続けることは、一般の人びとが健康を維持するためにも有効な手段です。例えば高齢者が寝たきり状態になってしまう要因のひとつに筋肉量の低下が挙げられます。筋肉の機能や量を保持するには、体に大きな負担を与えない程度の運動を継続的に行う必要があります。しかし中には自発的に運動できない人や、継続できない人もいます。そこで聞き取り調査をもとに、周囲の人がどのように働きかければ運動に対して前向きになれるのか、どのような方法であれば継続できるのかといった研究が進められています。
スポーツを通して心の健康を保つ
健康維持のために欠かせない運動ですが、新型コロナウイルス感染症拡大防止のために外出が規制された時期には国民全体の運動量が減少しました。また自然災害で避難所生活を余技なくされた人は、身体活動量が減ってしまうという調査結果があります。運動は体だけでなく心の健康維持にも効果的だということが明らかになってきています。行動が制限された状況下では、心理的な負担も生じます。したがって今後は、どのような状況下でも人びとが心身の健康を整えられるよう、環境に応じた運動方法を提案していくことが求められています。
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大阪経済大学 人間科学部 人間科学科 准教授 江藤 幹 先生
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