「学校統廃合とタワマン」から考える、人口減少時代のまちづくり

「学校統廃合とタワマン」から考える、人口減少時代のまちづくり

学校跡地の利活用

人口減少にともなって、統廃合される小中学校が増えています。長年地域の子どもたちの学びの場、住民の交流の場であり続けた学校に、地域住民は強い思いを持っています。学校を地域からなくしてしまうことは、地域住民にとって大きな決断であり、学校跡地がどのように利活用されるかについて、地域は高い関心を持っています。地域交流や防災の拠点に引き続き活用される場合がある一方で、学校跡地が売却され、そこにタワーマンションや商業施設がつくられる場合もあります。

タワーマンションの問題

特に都心部ではタワーマンションの建築によって、住民が大幅に増え、統廃合した学校の教室が足りなくなるということが起こっています。マンションを健全に保つには、定期的な修繕が必要です。その費用は住民が積み立てるのですが、必要な費用が積み立てられていないマンションもあります。建物の「老朽化」と住民の「高齢化」という2つの「老い」が進み、必要な修繕ができないという問題が表面化しています。特にタワーマンションの修繕費は一般的に高額です。都心部で建築されているタワーマンションもしっかりと維持していく必要があります。

人口が減り、まちが小さくなるということ

私たちが暮らすまちは、人口増加により拡大する段階から、人口減少によって縮小していく段階に入っています。「人口が減り、まちが小さくなる」ことに、具体的なイメージを持つことは簡単ではありませんが、これまでになかった新たな課題が地域に生じることを知っておく必要があります。学校跡地の利活用や、タワーマンションの問題もその一環です。縮小していくまちをより良くするために、行政や民間企業、地域住民がそれぞれどのような役割を果たし、またどのように連携すべきかを考えることは、人口減少時代のまちづくりにとって非常に重要なテーマなのです。

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大阪経済大学 経済学部 経済学科 准教授 臼田 利之 先生

大阪経済大学 経済学部 経済学科 准教授 臼田 利之 先生

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まちづくり学、地域政策学、都市計画学

先生が目指すSDGs

メッセージ

大学受験の段階で進みたい道が決まっていなくても良いと思います。いつでも進む道を変えることができますし、新しいことに挑戦することもできます。
大学時代は人生のなかでも、とても大切な時間です。その時間をどのように使うのかは、あなたに任されています。大学での授業やサークル活動、アルバイトなどを通して、新たな出会いやいろいろな経験ができる時間でもあります。そこで得られる経験は社会に出てから、とても役に立ちます。まちにでて、人とふれあい、いろいろな経験をしてください。
大学で会えるのを楽しみにしています。

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