「スポーツ科学」で保健体育はもっと楽しくなる!
体育の授業は好き? 嫌い?
「体育は試合をしている時間が一番楽しい」と思っている人も多いことでしょう。しかし、必ずしも生徒全員が運動好きというわけではありません。運動嫌いな人にいきなり試合をさせると、余計に運動が嫌いになる原因を作るようなものです。教育の場で行われる体育の授業は「運動が苦手な生徒をいかに伸ばすか」「生徒全員をいかに楽しませるか」という視点も欠かせません。そこで活用されるのが、スポーツ科学です。
科学は体育のスパイス
体育を料理に例えると、教師は料理人、種目(教材)は食材です。持久走という食材は、走っているだけではとてもおいしく食べられません。一方、球技という食材はそのまま食べてもおいしいですが、食べ続けているとそのうち飽きてしまいます。どんな食材でもおいしく食べるには料理人である教師の技術と工夫が必要です。そして、科学は体育のスパイスとなります。
例えばサッカーでは、GPSで動きを確認して戦術を共有できます。個人技術の学習では、理想的なフォームと自分を並べて2画面で対比すれば改善点がわかります。さらに、単元の終わりにはイベント(授業内の大会)を開き、賞状を授与したりする仕掛けも効果的です。また、文部科学省が推進する「GIGAスクール構想」が実現すれば、生徒全員がタブレットを持つようになります。それを使わない手はありません。
「する」「みる」「ささえる」「知る」の4本柱
これからの体育は「する」「みる」「ささえる」「知る」の4本の柱が重要になります。「みる」は動きを観察したり、分析したりすることです。「ささえる」は審判や委員としてサポートし、「知る」はスポーツ科学の視点から、運動やスポーツの理論を学ぶことです。「上手な教え方を知っている教師」が増えれば、より多くの生徒が「楽しい」と思える授業が可能になります。その気持ちが「自分もできる」という自己肯定感を育み、前向きな人生につながります。また、すべての子どもにとって運動が身近になれば、生涯の健康づくりにも役立つでしょう。
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先生情報 / 大学情報
静岡産業大学 スポーツ科学部 講師 徐 広孝 先生
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