心理学で解明する! ストレスに負けないハッピーな生き方とは

心理学で解明する! ストレスに負けないハッピーな生き方とは

ネガティブなことがあっても大丈夫

人間ははるか昔から、未来や今現在に起こる嫌なことに自ら目を向けることで、その嫌なことをできる限り回避して生き残ってきた歴史があります。嫌な出来事が起こる前にできるだけ避けたい、もし起こってしまったら早くなくしてしまいたい、と思うのはその名残です。しかし人間には、つらいネガティブな出来事に出会っても、ポジティブな面に目を向けることで充足した人生を送っていける力もあるのです。

ささいな出来事が自分を支えてくれる

ネガティブな出来事が心身に大きなストレスを与えることは周知のとおりです。一方でポジティブな出来事も、心身に影響を及ぼします。実は、「幸せである」という気持ちが、ネガティブな出来事によって受けたストレスを軽減していく、ということが研究によって明らかになっています。ここでいう「幸せ」とは、経済的・物質的な豊かさといった大げさなものではなく、生活の中にある「ごはんがおいしかった」などのささいなことも含みます。嫌なことをなくすのではなく、嫌なことがあったとしても、日々の中の小さな幸せに目を向けることで、ストレスに耐えうる力が身についていくというわけです。

ストレス社会を生き抜くために

「幸せになりたい」「楽しいことを見つけたい」などとあまり強く思い過ぎてしまうと、幸せになれない自分、楽しいことを見つけられない現実に逆に落ち込んでしまうこともあります。でも、そんなに考え込むことはないのです。「寝る前に今日よかったことを3つ書き出してみましょう」などといった幸せを見つけようとするポジティブ心理学もありますが、まずは生活の中で感じるどんなささいな「いいこと」でも集めていくだけでいいのです。人は弱い面だけではなく、強さやポジティブな面も持ち合わせています。自らがもともと持っているハッピーに生きる力を知ることが、ストレス社会を生き抜くためには必要になるのです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

京都橘大学 総合心理学部 総合心理学科 准教授 田中 芳幸 先生

京都橘大学 総合心理学部 総合心理学科 准教授 田中 芳幸 先生

興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!

心理学、健康心理学

先生が目指すSDGs

メッセージ

心理学、特にその応用というと、ネガティブな気持ちを何とかするための支援に使われるというイメージが強いかもしれません。しかし私の研究は、「人間が本来持つ強さやポジティブな側面が、どのようにネガティブな側面に対し影響しているか」をテーマにしています。ネガティブな気持ちは、生きていればあって当然です。そんな中でもどうしたらよりハッピーに、心身ともに健康で生きていけるかを学んでいきます。
受験勉強も大変ですが、「ごはんがおいしかった」などの小さな幸せを見つけて乗り越え、ぜひ一緒に研究しましょう。

先生への質問

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京都橘大学は、「自立」「共生」、実践的な教育をめざす「臨床の知」を教学理念に掲げる総合大学です。
2021年4月には、国際・人文・教育・社会・医療系に工学系の学びを加え、さらに2023年4月には総合心理学部を開設し、9学部15学科の文理多彩な総合大学へ進化しました。一拠点総合大学の強みをさらに発展させ、さまざまな夢をもつ多くの仲間と出会い、新時代に対応できる力を養います。
京都・山科の緑豊かな自然を背景に、オレンジタイルで統一された瀟洒(しょうしゃ)な学舎が、豊かな学びの空間を演出しています。