心理学で解明する! ストレスに負けないハッピーな生き方とは
ネガティブなことがあっても大丈夫
人間ははるか昔から、未来や今現在に起こる嫌なことに自ら目を向けることで、その嫌なことをできる限り回避して生き残ってきた歴史があります。嫌な出来事が起こる前にできるだけ避けたい、もし起こってしまったら早くなくしてしまいたい、と思うのはその名残です。しかし人間には、つらいネガティブな出来事に出会っても、ポジティブな面に目を向けることで充足した人生を送っていける力もあるのです。
ささいな出来事が自分を支えてくれる
ネガティブな出来事が心身に大きなストレスを与えることは周知のとおりです。一方でポジティブな出来事も、心身に影響を及ぼします。実は、「幸せである」という気持ちが、ネガティブな出来事によって受けたストレスを軽減していく、ということが研究によって明らかになっています。ここでいう「幸せ」とは、経済的・物質的な豊かさといった大げさなものではなく、生活の中にある「ごはんがおいしかった」などのささいなことも含みます。嫌なことをなくすのではなく、嫌なことがあったとしても、日々の中の小さな幸せに目を向けることで、ストレスに耐えうる力が身についていくというわけです。
ストレス社会を生き抜くために
「幸せになりたい」「楽しいことを見つけたい」などとあまり強く思い過ぎてしまうと、幸せになれない自分、楽しいことを見つけられない現実に逆に落ち込んでしまうこともあります。でも、そんなに考え込むことはないのです。「寝る前に今日よかったことを3つ書き出してみましょう」などといった幸せを見つけようとするポジティブ心理学もありますが、まずは生活の中で感じるどんなささいな「いいこと」でも集めていくだけでいいのです。人は弱い面だけではなく、強さやポジティブな面も持ち合わせています。自らがもともと持っているハッピーに生きる力を知ることが、ストレス社会を生き抜くためには必要になるのです。
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先生情報 / 大学情報
京都橘大学 総合心理学部 総合心理学科 教授 田中 芳幸 先生
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