難民支援と私たちの生活

難民支援と私たちの生活

難民とその支援をするUNHCR

世界には戦争や武力紛争のために安全に暮らせないという人々が多くいます。また人種や民族、宗教、政治的信条、社会的な属性が理由で、犯罪者扱いをされたり、家や村を焼かれたり殺されたり、厳しい迫害にあう人たちもいます。その内、国境を超えて避難する人たちを難民と呼び、国連の発表によると2022年末にはその数が4000万人を超えています。
命からがらに逃げていく人の中には、パスポートやビザを持たずに国境を越えざるを得ない人たちも多くいます。UNHCRは、避難した国で安全に暮らし、その国民と同じように教育や医療サービスを受け、働く権利が保障されるように法的な保護を図ること、場合によっては食料・住居・医療・教育サービスを直接提供するということを庇護国の政府やNGOとともに行っています。

難民支援の現場

UNHCRは世界各地で活動を行っています。アフリカのウガンダを例にとると、1996年頃はウガンダやその周辺国で政府と反政府軍が複雑に絡む争いが続いていました。難民が自分たちの手で畑を耕せるようになっても、収穫の時期に武装勢力によって農産物を強奪されることや、場合によっては殺害されることもありました。また、別の国では民族的な迫害を受けた女性の多くが性的暴力の被害にあっているという報告もありました。難民支援の現場においては、時に国際社会の動き、そして人間の行為が生み出す残酷な現実と直面する一方で、庇護国で平和を享受し尊厳を持って迎えられている難民が「自分たちで自立をつかみ取った」という自信を持つ瞬間に立ち会うこともあります。

平和に向かう選択

難民支援においてUNHCRや各国政府は重要な役割を担っています。一方で、平和創造や難民支援について、あなたができることは何でしょうか。目の前にいる外国籍の人にどのように接しますか。子どものおもちゃに何を選びますか。日々の生活の中で、戦争や迫害ではなく平和へと向かう選択をすることで、第一歩を踏み出すことができます。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

関西学院大学 総合政策学部 国際政策学科 教授 清水 康子 先生

関西学院大学 総合政策学部 国際政策学科 教授 清水 康子 先生

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難民学、国際人道支援、平和学

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メッセージ

大学とは「一生の出会い」がある場所です。それは友人に限らず、教員や事務局といった学生以外の人たち、あるいは学部での学びや海外でさまざまな経験を積むプログラムといった機会も含みます。私自身の人生を振り返っても、大学時代のさまざまな出会いが人生に多大な影響を与えてくれたと感じています。ですから、あなたには明るい希望をもって大学に入ってほしいです。そこで心引かれる人や機会に出会ったなら、ためらわずに関わってみてください。

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スクールモットーである"Mastery for Service"は、「奉仕のための練達」と訳され、関西学院の人間として目指すべき姿を示しています。1889年にアメリカ人宣教師W.R.ランバスによって創立された関西学院は、このスクールモットーを体現する、世界市民を育むことを使命とし、現在、関西学院の3つのキャンパスでは、約2万人の学生が個性あふれる14学部で学んでいます。2021年4月からKSC(神戸三田キャンパス)は文系の総合政策学部と理系の理、工、生命環境、建築学部の5学部体制となりました。