「最適化」は、課題を把握する力がもっとも大切
身近にある最適化
私たちは日々の生活で、さまざまな意思決定をして行動しています。意思決定とは、今日は何をしようか、学校までどの道で行くか、進学先をどこにするかなど、複数ある選択肢の中から最善のものを選ぶことを指します。各選択肢には距離や通学時間、就職率といった数値がひも付いており、これらを元に意思決定を数理モデル化して最適化を行います。
身近にも最適化されたものはたくさんあり、ルート検索や乗り換え検索、リスクを軽減する投資商品、スーパーの商品陳列なども最適化されたものです。
ビジネスではとくに重要
企業経営では、コストは最小限、利益は最大限にしたいものです。最適解を導き出すにはアルゴリズムを使いますが、高校の数学で学ぶ線形計画法や微分などがそれの基礎となります。
例えば、ある飲料メーカーがコーヒーを作って最大の利益を得たいとします。複数の産地のものをブレンドする場合、A産、B産、C産のコーヒー豆のそれぞれの単価や輸入量が異なりますが、どの豆をどのくらいの割合でブレンドすれば効率良く生産できるかは、数式を立てて求められます。全国に店舗があるアパレルメーカーなら、地域によって気温が異なる日本で、どの時期にどの地域で夏ものを売るか、仕入れ数や在庫数といった最適化が大切です。
現実に基づいた課題設定を
最適化で最も重要なのは課題設定です。課題を正しく把握して設定しない中で最適化をしても本当の課題解決になりません。また、課題の現実を知ることも不可欠です。 目的地までの道のりの最適化で例えると、東京都内なら直線に近いルートで検証できますが、京都市ではできません。碁盤の目の街の京都市では斜めの直線が引けないからです。
また、近年は短時間・単発で仕事をするギグワーカーが増えています。働き方が多様になり、シフトの組み方などに課題が浮上しており、研究の対象となっています。社会状況をいち早くキャッチし、経営学や情報科学、統計学などあらゆる視点で解決法を探ることが社会貢献につながるのです。
※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。
※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。