経済学を学ぶことは将来役に立つの?
経済学とはどのような学問なのか?
経済学の根幹には、経済活動を小さな視点から分析する「ミクロ経済学」と、大きな視点から分析する「マクロ経済学」があります。そこで培われてきた分析ツールをもとに、様々な経済活動を個別に探求する形で経済学は発展してきました。経済学の分析対象は実に幅広く、経済学を現実社会で活かせる場面は多岐にわたっています。また、時代の変化に対応できるよう、経済学は日々進化し続けています。経済学の目的は「豊かな社会を作ること」なので、経済学を学び豊かな社会を実現することができれば、それは一人ひとりの幸福にもつながってくるでしょう。
ゲーム理論と経済実験(理論と実証)
いろいろな人々が相互に依存しあいながら一つの経済社会が作られています。その中で成功するためには、他の人がどのような行動をとるか予測し、それに対し自分が的確に対応することが必要不可欠です。「ゲーム理論」では、一人だけでは結果が出せず、自分の行動も他人の行動も戦略的に依存し合う中で、最終的に皆がどのような行動を取ることになるのかが分析できます。また、仮想的に経済活動を再現し、理論の正当性を検証する手法として「経済実験」があります。理論が机上の空論とならないよう経済学は実証的な視点も併せもっており、理論と実証の双方の視点から経済問題の解決策を探ります。
行動経済学は経済学の現実への適応可能性を広げる
従来の経済学では人間は合理的だという前提で分析がなされてきました。しかし、人は心によって行動するので、ほんのちょっとした要素で行動は大きく変わります。例えば、勉強することは大事だと分かっていても、勉強しなさいと人から強制されると勉強することが嫌になりませんか? このような心理的な側面を従来の経済学に融合させたものが「行動経済学」であり、既にマーケティングなど現実の世界に応用されています。従来の経済学では説明できなかったことが行動経済学では説明できるようになり、経済学を現実社会で活かす場面はさらに広がってきたのです。
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先生情報 / 大学情報
久留米大学 経済学部 経済学科 准教授 境 和彦 先生
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経済学、行動経済学、環境経済学先生が目指すSDGs
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