運動が苦手な子どもでも、安心して楽しく参加できる体育授業とは
体を動かすことは好きでも、体育は嫌い?
あなたは、体を動かすことは好きですか。体育の授業は楽しめていますか。「体を動かすことは好きだけど、体育の授業は楽しくない」という人もいるのではないでしょうか。
体育が苦手だと感じている生徒の多くに、「出来ないからやりたくない」「出来ない自分を見られるのが恥ずかしい」という気持ちがあるようです。チーム競技の場合は、「自分のミスでみんなに迷惑をかけてしまう」といった気持ちもあるかもしれません。そのように心が萎縮した児童・生徒が、授業を楽しめるはずはないでしょう。
「心と体が一体となれる」体育授業に
小・中・高等学校体育の学習指導要領には、「心と体を一体としてとらえること」が冒頭に掲げられています。体育の授業ではスポーツ種目が中心に取り上げられ、勝敗や順位が重視されがちです。しかし、保健体育科教育学では、心と体が一体となれる体育授業のあり方について学びます。
楽しい気分で出かけた時は、いつもより足取りが軽く感じ、動き回ってもあまり疲れを感じない、という経験を多くの人が持っているはずです。そのような夢中になれる環境を体育授業で作るための手法や指導法を研究するのです。
安心して参加できるルールを
体育が苦手な生徒でも安心して参加できる「場」を作るために、運動が得意不得意に関係なく、みんなの運動量を増やす方法があります。例えば鬼ごっこに「1対1のペアで行う」「逃げる方も追いかける方も走らず早歩きで」「鬼に捕まったら数秒待って鬼交代」などのルールをプラスすれば、楽しく参加できる「場」を創出できます。長縄跳びなら、跳びながらそのほかの簡単な運動を組み合わせることで、仲間と協力して楽しく体の動きを高められます。
体育はスポーツ種目だけではなく、体を動かす楽しさや心地よさを味わう「体つくり運動」という領域もあります。心と体に目を向けた指導方法が身につけられれば、スポーツや運動が苦手な子どもでも、安心して楽しく参加できる体育授業をつくることができるのです。
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先生情報 / 大学情報
東海大学 体育学部 体育学科 教授 大塚 隆 先生
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