ユーザ中心のデザインで生活をより豊かに
日常生活をより便利に
あなたは普段、どんな製品やサービスを、どんな目的で、どのように使っていますか? 例えば、最近の飲食店では、タッチパネル式の端末や自分のスマートフォンを使って、人数の申告や料理の注文ができるようになっています。入店から支払いまでをすべて連動できれば、人手不足の飲食店で労力が削減されるだけでなく、多様な外国語にも対応が容易で、感染症対策も図れます。一方で、操作方法がわかりにくい、興味のないおすすめメニューが表示されるなど、せっかく便利に使える技術も、使う側(ユーザ)が不便を感じることも少なくありません。
人間中心設計(ユーザ中心設計)とは
このような不便さの多くは、「人間中心設計(ユーザ中心設計)」でデザインされていないために生じます。人間中心設計とは、使う人間、ユーザについてよく理解した上で、彼らにより良い経験を与えるためのデザインアプローチです。単に必要な仕様や機能が満たされるだけでなく、ユーザがより便利で満足できるように、開発の最初の段階で調査を行い、ユーザについて深く理解した上で、製品やサービスのデザインを考えるわけです。ユーザのニーズを中心に考える人間中心設計の目的は、ユーザのネガティブな経験をできるだけ少なくし、ポジティブな経験をできるだけ豊かにすることです。
人間中心設計に向いている人たち
私たちの身の回りには、さまざまな機器やサービスが存在していて、多様な使い方をしています。そうした使い方の多様性を把握しながら、ユーザについて深く理解するための調査に基づいてデザインすると、ユーザの満足度が高まるほか、ユーザの利用頻度も上がるなど行動も変わってきます。また、人間の行動原理やユーザを深く知ることで、ユーザの行動を促すようなデザインを作りこむこともできます。しかし、企業の現場で、そうした調査をうまく実施できるデザイナーやエンジニアは案外少ないものです。実は、ユーザの調査手法を学んだ社会学部の人たちは、デザインをユーザ中心に考えることに向いているのです。
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先生情報 / 大学情報
法政大学 社会学部 メディア社会学科 准教授 橋爪 絢子 先生
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認知心理学、感性工学、ユーザ工学先生が目指すSDGs
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