授業でタブレットを使うのが当たり前に? 教育でのメディア活用
メディアは、相手や内容によって使い分ける
今やスマホやタブレットは当たり前の時代になっています。こうしたメディアやコンピュータは、学校教育にどう活用すれば効果的なのでしょうか?
例えば車や風景などは、絵や写真などを使うと相手に伝えやすくなります。ところが「朝9時に○○に集合」といった情報は、文章のほうが伝わりやすいでしょう。また小さな子どもに対しては、ひまわりの花は動画よりも実物を見せるほうが効果的でしょう。一方で、中学生や高校生になると、動画をタブレットで解説するほうが効果的なケースも増えてきます。このように、伝えたい情報や伝える相手の年齢などによって適したメディアは異なり、使い分けることが大切です。
授業にタブレット導入のメリットと問題点
タブレットを教育現場に導入すると、「ネットワーク化できる」「個別対応が可能になる」「業務を効率化できる」といったメリットがあります。実際に、文部科学省ではタブレットの導入を計画していますが、課題も数多く残っています。
欧米諸国では、授業中にインターネットで調べる、計算機を使うことは当たり前のように行われていますが、日本では、授業でネットや計算機を使うのは好ましくないという風潮があります。こうした価値観の影響も大きいのです。タブレット導入には、教員をサポートする人も必要です。さらに言えば、部活動や事務処理といった大量の業務を抱える教師を、地域や社会が多方面から支援する「チーム学校」の構想も、加速させる必要があるでしょう。
より効果的なメディアの活用を求めて
また、誰にどんな内容を、何を使って教えるのかといった適切な選択ができるよう、教員が学ぶことも大切です。それを実践するアクティブ・ラーニングにおいて、どのくらい効果があるかといった分析や評価をし、データ化する「教育工学」の研究も欠かせません。
コンピュータと教育は、もはや切り離せない関係にあります。将来、子どもたちが学校で普通にタブレットを使う日が訪れるでしょう。
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先生情報 / 大学情報
愛知教育大学 教育学部 教育科学系 教育ガバナンス講座 教授 江島 徹郎 先生
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