おもしろテクニックで高機能チョコレートや低アレルゲン化の食品を!
機能性チョコレートの開発
食べ物には健康に影響を及ぼすさまざまな成分が含まれています。健康機能性の高いポリフェノールもその一つで、お茶やチョコレートに含まれるカテキンはポリフェノールの一種です。カテキンは単量体の状態よりもカテキン分子が重合した重合体のほうが機能性が高いと言われています。そこで、チョコレート中のカテキンを重合化することで、チョコレートの健康効果を高める研究が進められています。
チョコレートの製造過程でカテキンを重合化
現在はまだ実験の段階ですが、将来的にはチョコレートの製造過程の中でカテキンを重合化することをめざして研究が行われています。一般的なチョコレートの製造には、カカオ豆を24時間すりつぶす工程があります。この工程で、あらたな素材を加えたり、温度や時間を調整したりすることで、カテキンの重合化を進められるのではないかと考えられています。
エビアレルギーでも食べられるエビせんべい
健康に役立つ食品成分がある一方で、「アレルゲンタンパク質」のようにアレルギー症状を引き起こす食品成分もあります。特に、成人に一番多いエビ・カニなどの甲殻類アレルギーでは、アレルゲンタンパク質を化学変化させて低アレルゲン化し、味は残しつつも症状が出にくいタンパク質を作る研究が進められています。「低アレルゲン化エビパウダー」が開発されれば、エビをそのまま食べられないアレルギー体質の人も、せんべいやお好み焼きなど、料理に混ぜ込むことでエビの風味を楽しむことができます。
また、アレルギー体質改善への活用も期待されます。食物アレルギー患者への治療として、アレルゲンタンパク質を少しずつ摂取して慣らす方法がありますが、2年から5年と長くかかります。このとき、低アレルゲン化タンパク質を使用すれば、一回に摂取する量を増やせるので、期間を短縮することができる可能性があります。
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先生情報 / 大学情報
宮城大学 食産業学群 フードマネジメント学類 教授 菰田 俊一 先生
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