地域の人のつながりを生む「アートプロジェクト」

地域の人のつながりを生む「アートプロジェクト」

アートプロジェクトの始まり

地域で芸術作品を楽しむ催しである「アートプロジェクト」は、1977年から開催されているドイツの「ミュンスター彫刻プロジェクト」が原点と言われています。町中に彫刻作品を点在させることで観光客を呼び込み、地域の活性化につながりました。日本でも2000年から「大地の芸術祭 越後妻有(つまり)アートトリエンナーレ」が開かれるなど、地域ごとにさまざまなアートプロジェクトが開催されています。

地域のイベントとして

地域住民だけが参加するような小規模なアートプロジェクトも行われています。アーティストが主導しながら参加者とともに町中の壁画を制作したり、みんなで盆踊りの振り付けを考えたり、誰でも参加できる堅苦しくないアートが特徴です。そこには単に芸術を楽しむだけでなく、人と人とをつなげて地域振興やコミュニティを豊かにしたいという隠れた目標があります。難しいと感じさせないアートを媒介としているからこそ、多様な人が集まります。一方で地域の困窮者支援といった明確な社会課題を掲げたイベントとなると、支援する側とされる側の線引きができ、なんらかの利害関係が生まれるために、参加をためらう人もいるでしょう。しかしアートという切り口なら、楽しそうだからと気軽に人が集まり、参加者が一緒に活動することで信頼関係が築けます。その関係ができた上で、社会課題の解決のための活動が後からついてくればいいのです。回り道のようですが、重要な課題を解決するための土台を育む大切な糸口になります。

人とのつながり

このようなイベントは単発で終わらせず、少しずつ人を巻き込みながら長く続けていくことが大切です。2002年から開催されてきた「アサヒ・アート・フェスティバル」は、「市民の主体的な参加」というコンセプトのもと、全国のNPOや市民グループがネットワークを形成しました。東日本大震災の際にはこのネットワークが情報の伝達などで役立ち、助け合いを生みました。アートプロジェクトの意義が生かされた好事例になっています。

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先生情報 / 大学情報

東海大学 文化社会学部 広報メディア学科 講師 熊谷 薫 先生

東海大学 文化社会学部 広報メディア学科 講師 熊谷 薫 先生

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文化社会学、広報メディア学

先生が目指すSDGs

メッセージ

高校生の頃は、まだ自分のやりたいことがはっきりとわからないかもしれません。「これをやっていればとにかく楽しい」という何かがあれば、それを大切にしてください。楽しいことをきっかけに出会う人や場所というのは、生きていく上で極めて重要です。楽しいことがそのまま仕事になるかどうかはさておき、素直な楽しさを大切にしていかないと、苦しい時に気持ちがくじけてしまいます。楽しいことを続けるためには、どういう人生を送ったらいいかを考えてみてください。

先生への質問

  • 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

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海底から、宇宙まで。東海大学の学びは広がり、つながり、そして大きなうねりとなります。さまざまな場所で波を起こし、新しい波同士がぶつかり新たなひらめきが見つかることも。
東海大学は、全国のキャンパス(品川、湘南、伊勢原、静岡、熊本、阿蘇、札幌)に23学部62学科・専攻を擁する総合大学です。この大きな“受け皿”こそが、東海大学の魅力の一つです。社会に役立つ学びが集約された東海大学なら、あなたの興味や情熱に応える学びがきっと見つかります。