「イノベーション」は、芸術と科学の融合から生まれる

「イノベーション」は、芸術と科学の融合から生まれる

絵画に先端科学技術を用いたダ・ヴィンチ

有名なモナ・リザを描いたレオナルド・ダ・ヴィンチは、偉大な芸術家である一方で科学者としての一面も持っていたため、絵画にも当時の先端科学技術を取り入れた創造的な表現を試みていました。
ダ・ヴィンチの時代から500年がたち、科学が進歩した現在も、常に芸術と科学の融合により、新しい表現が作り出されています。現代ではコンピュータなどのデジタル技術を応用したメディアアートという表現方法が多く使われるようになってきました。さらに、鑑賞者の介入に対応して作品が変化するインタラクティブアートという表現も、芸術のみならず舞台演出や広告に用いられるようになっています。

芸術から問題解決のツールへ

インタラクティブアートは問題解決の方法としても用いることができます。例えば、視覚障がいのある人は点字に触れて文字を理解しています。一方、近年教育現場でも普及の進むタブレット型情報機器は、触覚のみで操作や判断をするのが難しい道具です。そこで、タッチ情報を感知できるシートに点字を印刷し、タブレットにのせて使用する教育機器が研究されています。正確にタッチした時に情報を音声でフィードバックさせることにより、触覚と聴覚を活用した学習につながります。こうした研究の実用化にはタイムラグがあるものですが、数年後の商品化が期待されています。

「イノベーション」を創造するには

イノベーション(技術革新)は、一つの要素技術だけでなく、工学的な技術や意匠的なデザイン、感性工学など他分野の技術を結集して生み出されるものです。新しい価値観を創造し、人の心を揺さぶるアートを生み出すには、分野をまたいだ知識が必要になります。さらに、イノベーションを世の中に送り出すこれからのクリエーターには、リサーチ・企画・プロデュース・編集の能力も必須です。未来のクリエーターはダ・ヴィンチを越えるほどの多彩な能力を兼ね備えなければならないかもしれません。

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先生情報 / 大学情報

東京都立大学 システムデザイン学部 インダストリアルアート学科 教授 串山 久美子 先生

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芸術工学・デザイン情報学

メッセージ

大学は自分の興味があることを自分で選んで学び、自ら実践する場所です。それに対して高校では、受験のための勉強で受け身になっているかもしれません。でも、自分が興味をもったことを掘り下げたり広げたりしてみてください。
理系でも文系でも、美術や音楽を専攻したい人も、興味がある分野だけではなく、別の分野も学ぶことで、四方に広がった根を張ることができます。それが支えとなって成長し、いつか大きな花を咲かせることができるのです。どうか、あなた自身の感性を大事に育ててください。

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