水泳もテンポが大事!?
泳ぎの効率を上げるには?
水泳でタイムを縮めるためには、早く腕や脚を動かしたり、長距離を泳ぎこんだりするだけでいいのでしょうか。これらの方法では、泳ぎの効率が低下して、思い通りの結果が得られない場合もあります。
水泳のパフォーマンスには技術的な要因が強く関係しているため、泳ぎに気をつけながら練習を行うことが大切です。現在、泳ぎの技術を維持できる用具として注目されているのが水中メトロノームです。
泳ぎのテンポを保つ
水中メトロノームは、音楽などで使うものと同様に、水中でも一定の間隔で音を出します。その音に合わせれば泳ぎのテンポを保つことが可能です。クロールの練習であれば、音が鳴ってから次の音が鳴るまでの間に、水をかく動作を1セット行います。この一連の動きは「ストローク」と呼ばれており、1回のストロークで進んだ距離を「ストローク長」といいます。
水中メトロノームを使わない場合、だんだんとストローク長が短くなっていきます。一方、水中メトロノームでテンポを保つ(管理する)と、時間が経ってもストローク長を維持しやすくなったのです。競泳選手の持久力トレーニングなどに取り入れれば、長距離を泳いでもパフォーマンスが落ちにくくなり、練習の効果をより高める可能性があります。
疲れても「いい泳ぎ」を続けることがカギ
泳ぐ距離を長くしたり速いスピードで泳ぐと、身体にかかる負荷が大きくなります。こうしたトレーニングでは、疲れが早くたまるのでストローク長が短くなって泳ぎの効率が下がりやすいのです。練習の効果を最大限に高めるためには、ストローク長を維持できる時間を延ばすことも求められます。
疲労の原因物質のひとつが、運動をしているとき体内にたまる乳酸です。乳酸の蓄積量とストローク長の低下は関係していると言われていますが、テンポを管理することで疲れてもストローク長が低下しにくくなります。このように、テンポを管理してトレーニングすることで日々の練習の効果が高まり、ベストタイムの短縮につながる可能性があります。
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先生情報 / 大学情報
熊本学園大学 社会福祉学部 ライフ・ウェルネス学科 准教授 府内 勇希 先生
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