子育て支援でみんな元気に! 地域の健康をまもる保健師の活動

赤ちゃんから高齢者まで
地域住民の健康を維持・向上し、元気に暮らせるように支援する保健師の活動を「公衆衛生看護活動」といいます。保健師は看護師、助産師と同じ看護職ですが、公衆衛生看護活動は個人だけでなく、地域社会や学校、企業等、「集団」も対象にしています。赤ちゃんから高齢者まで、健康な人から病気や障害のある人まで、すべての人をサポートするところが大きな特徴です。保健所・保健センター等の行政で働く保健師なら地域住民みんなの、企業で働く産業保健師なら社員とその家族みんなの健康な生活を支えているのです。
地域の人が健康づくり活動をするには?
住民が世代・分野の違いをこえて支え合い、一人一人が生きがいや役割を持って活躍できる地域を「地域共生社会」といいます。その実現に向けて、地域の人々がつながって自主的に健康づくりに取り組めるような活動を考えることも、保健師の大切な役割です。
例えば、シニア世代による子育て支援ボランティア等が増えていることから、シニアの力を障害児の支援にも発揮してもらうのも一つの方法です。シニア大学(自治体等が行う高齢者向け生涯学習講座)の受講者に対するアンケート調査で、約6割の人が発達障害の子どもの支援に関心を持っていることがわかりました。どんな仕組みがあれば関心を持つ人たちが支援活動に参加できるのか、さらに研究が進められています。
シニア男性の社会参加を促す
このような活動は、親の孤立や育児うつ、虐待の予防とともに、シニアの側の健康づくりも目的としています。高齢期の社会参加が心身の健康を保ち、介護予防につながることはさまざまな研究から明らかになっています。特にリタイア後の男性の社会的孤立は大きな問題で、生活の中心を職場から地域へとシフトできるように社会参加を促すことが重要です。子育て支援であれば「男性向けの子育て支援講座を開く」「乳幼児だけでなく学齢期の子どもと関わる場をつくる」というように、男性が参加しやすい・したくなるアイデアが求められています。
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大阪医科薬科大学看護学部 看護学科 教授草野 恵美子 先生
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