「自宅で生活し続けたい」 高齢者のデイサービスを支える看護師

「自宅で生活し続けたい」 高齢者のデイサービスを支える看護師

楽しいレクやお出かけ、イベントも!

医療や介護が必要な人が住み慣れた地域・自宅で生活することが増え、在宅看護・介護のニーズ・重要性が高まっています。
デイサービス(通所介護)は、自宅で生活する要介護の高齢者がデイサービスセンターなどの事業所に通って受けるサービスです。入浴や食事の介助、体を動かす訓練のほか、さまざまなレクリエーションも行われます。お出かけや、季節のイベントを開催する事業所もあります。自宅で生活する高齢者にとって、デイサービスは外出して人と触れ合う大切な機会であり、定期的に通うことが生活のメリハリにもなります。介護する家族の心身のリフレッシュの機会にもなります。

デイ看護師の健康チェックで自宅での生活も安心

デイサービスでは、その日の活動を行っていいかの確認と共に、健康状態に変化がないかどうか見守るための健康チェックをします。
健康チェックは、デイサービスで唯一の医療職である看護師の役割です。実は多くの利用者にとって、一番よく会う医療職はデイ看護師かもしれません。通う回数は人それぞれですが、たいていは週1~3回で、それは病院の通院や訪問看護よりも回数が多いのです。デイ看護師は、利用者の性格や好み、これまでの人生や悩み・不安など、いろいろなことを知り、高齢者の生活や高齢者自身に根ざしたケアを行います。いつまでも自宅で生活し続けたい高齢者にとって、デイ看護師は身近で末永く健康・生活を支えてくれる心強い存在です。

看護師同士のつながりで、よりよい在宅ケアを

最近では、人工呼吸器をつけているなど、毎日の生活に医療的なケアが不可欠な人が自宅で暮らすことが増えています。関わる看護師にはより専門的な知識・経験が求められるため、デイ看護師と訪問看護師が助け合える仕組みづくりをテーマにした研究も行われています。例えば、デイサービスの職員が家族にその日の様子を書いて知らせる連絡帳を、看護師同士の情報交換に活用するといった方法が活用され始めており、さらなる連携強化が考えられています。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

岩手県立大学 看護学部 看護学科 准教授 小嶋 美沙子 先生

岩手県立大学 看護学部 看護学科 准教授 小嶋 美沙子 先生

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看護学、高齢者看護学、地域看護学

メッセージ

私は患者さんを一番近くで長く支えたいと思って、看護師になりました。疾患があったり介護が必要となった高齢者が自宅で安心して生活し続けられるように、さまざまなサポートを行うデイサービスや訪問看護は、看護の原点だと思っています。「看護はアート」と言われます。一人ひとりの生活や人生経験、好きなことなどを聞きながら、その人が必要としているケアを、創意工夫して提供することがとても大切だからです。型通りではなく、目の前の対象者のために、世界に一つだけの看護をめざすことができるのが、看護師の仕事の魅力です。

岩手県立大学に関心を持ったあなたは

大学は「知識」を得る場であるだけではなく、「人生の目的」を考える場であり、これからの人生で自分は何をなすべきかを探求する場でもあります。人はそれぞれ固有の素質と能力を持っています。それをいかに見出し、育成していくかが教育の最大課題であると考えています。この大学での貴重な学習期間に、自己の能力と個性を伸ばし、適性を見出すことに努めてください。本学の教職員は、全力を挙げてこれに協力します。