足が動かなくてもスポーツを! 患者さんに希望を与える補装具

足が動かなくてもスポーツを! 患者さんに希望を与える補装具

患者さんの願いをかなえる装具

病気やケガによって、体が不自由になることがあります。誰にでも起こることです。もし、あなたは体が不自由になったら、何を考えるでしょう? 以前のように歩きたい。走ってみたい。もう一度、スポーツがしたいと思うかもしれません。これらの願いをかなえるために、運動を補助するさまざまな補装具が開発されています。例えばカナダで開発された「ターボメド」は、足首を自動で上げることができます。日常生活だけでなく、マラソンなどのスポーツもできるようになります。日本ではあまり知られていませんが、障がいがあっても、いろいろな可能性があるのです。

持続的に必要な装具を供給するために

どんなに良い装具でも、売れなければ、いずれ販売されなくなります。では、装具が売れるようになるためにはどうすればよいのでしょうか? そもそも、その装具は患者さんが求めている機能があるのでしょうか? その装具は価格に見合うだけの価値・機能があるのでしょうか? 対象の患者さんは日本、世界にどれくらいいるのでしょうか? それらのことを考えずに装具を作成しても、決して売れません。いずれ消えることになります。本当に必要なものを持続的に販売するためにはビジネスモデルを考慮した開発が必要なのです。

補装具に求められる変化とは?

補装具は医療技術の進歩に伴って改良が求められています。再生医療の出現で身体機能が回復する可能性がでてきました。動くことができなかった関節が動くかもしれないのです。しかし、徐々に動き始めるため時間がかかります。今の装具は微調整ができるものがほとんどありません。筋は自分を助けてくれるものがあると、休んでしまう傾向があります。筋力が弱い時、装具は必要なのですが、強い力で補助し続けると、再生医療で目覚めた筋が再び寝てしまうのです。このため、回復の程度に応じて補助機能を段階的に調整できる装具が必要なのです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。

先生情報 / 大学情報

明治国際医療大学 保健医療学部 柔道整復学科 講師 奥田 正作 先生

明治国際医療大学 保健医療学部 柔道整復学科 講師 奥田 正作 先生

興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!

運動学、解剖学、リハビリテーション医学

先生が目指すSDGs

メッセージ

何歳になっても遅くないので、あなたがやりたいことを最後まで貫き通してほしいです。将来挑戦してみたい目標が見つかったとき、あきらめなければかなうことはたくさんあります。私はもともと経済学部出身ですが、その後医療現場で経験を積んだことで、ビジネス的な側面も取り入れた補装具の研究にたどり着きました。あなたが今後経験していくことに無駄なものは何一つないはずです。遠回りしたとしてもその過程であなただけの強みが見つかるかもしれないので、さまざまな分野に挑戦しましょう。

先生への質問

  • 先生の学問へのきっかけは?
  • 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

明治国際医療大学に関心を持ったあなたは

明治国際医療大学は、1983年に日本で初の4年制鍼灸大学「明治鍼灸大学」として開学しました。2008年に現在の名称へ改称し、看護学科、救急救命学科、柔道整復学科、鍼灸学科を有する保健医療分野の総合大学として発展してきました。 学内に附属病院と附属鍼灸センターを併設するほか、学外にも複数の実習環境を整備しています。これらのネットワークを活かし、臨床実習を重ねることで実践力や応用力を養い、人と向き合うことのできる「こころ豊かな医療人」を育成します。