待ったなし! 今、日本の食と農業を守るためにできること
日本の食と農業を守るために
日本の食料自給率はここ数年、37%程度で推移しています。日本の食料自給率を上げるにはどうしたらよいでしょうか。
イギリスも食料自給率が40%台の時代がありましたが、現在は70%ほどになっています。スイスには、10個入りの卵の価格が600円でも「農家を守るため当然」という意識を持った人たちもいます。アメリカでは、生産者を支援するために消費者が一定額を先払いするCSAという取り組みがあり、契約を結んだ生産者は、定期的に生産した農産物を出資者に届けています。日本でも、「国産の農産物を選ぶことが日本の食と農業を守ることになる」という意識を醸成することが大切です。
農業を支援する取り組み
今後、海外に食料依存することが難しくなることも予想されます。コロナ禍による様々な制限や、ウクライナ侵攻による影響により、国内農業に問題が起きています。また、環境変動によって世界の食料生産が不安定になるうえに、国際競争が激しくなり、日本が海外の農産物を買えなくなるときがくることも否定できません。
政策として日本の農業を守り、食料を確保することが必要です。そのためには、国民からの農業支援に対するコンセンサスが重要となってきます。さらに、農家がもうかるしくみをつくれれば後継者問題も解決し、若者の参入もさらに増えることが期待できるでしょう。
消費者に農業を周知する活動を
生産者や地域の取り組みを調査して、農業経営を考えることも大切です。経営面では、農産物に付加価値をつける、ブランド化するといった販売戦略が重要です。また、直売所を運営する例や、「軽トラマルシェ」という直接販売を展開している地域もあります。直売所に農作業などの体験施設を併設して消費者に農業を知ってもらうことに取り組んだり、新規就農者を増やすための取り組みも行われています。
消費者から選ばれる農業を目指して、生産者の取り組みや地域の活動を発信して、いかに都市の人たちに魅力を伝えるか、周知につなげられるかが重要となっています。
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