企業経営をサポートする情報システム
業務の流れをよりスムーズに
ある一つの製品が消費者の手元に届くまでの間には、研究開発から製造・販売・物流に至るまで、企業内の多くの業務が関わっています。ところが、同じ社内であっても隣の部署がどのような仕事をしているのかよくわからないということが珍しくありません。部署間で業務に関する情報が連携されていないのです。企業を分析する経営工学では、企業が行っている業務の流れを把握した上で、情報システムによって情報連携をサポートし、業務の効率化や生産性の向上をめざします。
プログラミングだけでシステムは作れない
会社の業務を情報システムでサポートするためには、その業務内容の理解が欠かせません。どれだけプログラミングが得意でも、財務会計の仕組みがわからなければ財務会計のシステムは作れません。情報システム開発は、作業の途中経過を目で見て確認することは難しく、最終段階のテストになって情報の抜けもれや間違いに気がつくといったことが起こりがちです。こうしたエラーの発生を防ぐためには、業務を理解した上で、業務間の情報をもれなく抜き出し、設計からテストまで情報システム構築の工程を適切に進めることが重要です。
AIなど高度な情報システムを経営に活用
近年では、AIやビッグデータ解析を利用した企業の業務改革が進められていますが、成果はまだ局所的な範囲にとどまっています。ある特定の製造工程や検査工程が改善されたといった例はあるものの、企業の経営全体にうまく活用できている例は少なく、大抵の場合は実証実験だけで終わっているのが実情です。AIやビッグデータ解析をどのようにして経営に活用していくのか、その方法の確立が求められています。また、日本経済を支えているのは一部の大企業だけでありません。今後は、日本経済を支える多くの中小企業に対してもAIなど高度な情報システムの利活用で生産性を高めていくことが重要なのです。
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公立鳥取環境大学 経営学部 経営学科 教授 齊藤 哲 先生
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