講義No.13090 教育

教員と生徒、社会が協働することで教育は深化する

教員と生徒、社会が協働することで教育は深化する

変わりゆく指導方針

先行きの不透明なこれからの社会では、「自ら課題を発見して解決していく力」が求められます。「探究学習」において、一部の高校では既に、AIを使って物語の主人公を判別させたり、社会経済とヒット曲の相関関係を調べたり、食虫について英語で論文を書いたりなど、これまで大学でしてきたような研究に生徒が自ら積極的に取り組んでいます。こうした取り組みを指導する教員には、自らも探究心を磨き、生徒をサポートする力が必要です。

学び続けるということ

生徒に身につけてほしい力、生徒指導の方針、教育を取り巻く環境は、時代とともに変わりつつあります。それに伴い、教員に必要な資質・能力も多様化しています。また、最近ではタブレット端末の配布、デジタル教科書の導入など、教育におけるICT活用が進んでいます。経験年数を問わず、すべての教員が学び続けなければいけません。生徒が成長していく姿、それぞれの分野で活躍する姿を見ることは、教員にとって大きな喜びです。教育学では、「生徒のために学ぶ楽しさ」を原動力に、生徒とともに、常に学び、成長していける教員の育成をめざしているのです。

社会全体で支え合う教育:「チーム学校」

複雑化したこれからの時代を生きる生徒を支えるため、学校教育には、生徒と教員はもちろん、大学、企業、地域コミュニティなどの外部機関も一緒になって互いに支え合う「Co-Agency」が不可欠です。また、外部機関との連携により「探究学習」はさらに進化していくでしょう。理系分野はもちろん、例えば、文系分野でも、社会科と「まちづくり」や、英語科と「海外の学校制度」、国語科と「言語活動による発信力」など、さまざまなテーマが検討されています。社会全体がチームとなって協力し合うことができれば、教育の質が向上するとともに、より豊かな社会が築けるはずです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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大阪教育大学 大学院連合教職実践研究科 高度教職開発部門 教授 瓜生 彩子 先生

大阪教育大学 大学院連合教職実践研究科 高度教職開発部門 教授 瓜生 彩子 先生

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教育学

メッセージ

教員には、周りと協働するオープンマインドと、専門を深めていく探究心が欠かせません。高校生や大学生のうちから、多くの人と接し、多くの経験をしてください。勉強や部活でも、アルバイトやボランティアでも、習い事などでも……「何かに打ち込む」という経験は、その後の人生で必ず役に立ちますし、真剣に取り組むことで感性が磨かれ、努力している人や優れた人に対するアンテナが働くようになります。いろいろな人たちを巻き込んで、一緒に何かを成し遂げていく力こそ、これからの時代の教員に必要な力だと思っています。

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本学は、我が国の先導的な教員養成大学として、教育の充実と文化の発展に貢献し、とりわけ教育界における有為な人材の育成をとおして、地域と世界の人々の福祉に寄与する大学であることを使命としています。この使命を達成するため、実践的な教職能力を養う優れた教員養成教育を推進し、豊かな教職能力を持って教育現場を担える学校教員を育成するとともに、学術と芸術の多様な専門分野で総合性の高い教育を推進し、高い専門的素養と幅広い教養をもって様々な職業分野を担える人材の育成をめざしています。