漫才もミカタに! コーチングで育てる才能のタネ

漫才もミカタに! コーチングで育てる才能のタネ

「何を学ぶか」だけでなく、「どう学ぶか」

AIが急速に進化している現代、従来型の学習方法が見直されています。語学も例外ではありません。AIは一瞬で日本語を外国語に変換します。しかし、それは表面的なもの。言葉に込められた「気持ちの揺れ」や「温度感」まで伝えられるでしょうか。また、未知のものに挑戦する姿勢、新たな発想など、生身の人間が「言語を学ぶ」経験を通じてこそ得られるものがたくさんあるでしょう。近年の教育現場では、「何を学ぶか」だけなく「どう学ぶか」という側面に注目し、「コーチング」が取り入れられています。

先生と生徒がともに歩むコーチング

コーチングでは、先生は自分の価値観を脇に置き、会話を通じて、生徒がすでに持つ能力の種が育つように心がけて接します。生徒から教わることもたくさんあります。例えば生徒が授業に集中しないのは「生徒に何かが足りない」のではなく「伝え方を工夫する」余地があるのかも知れません。
ある授業では、生徒が先生役になってスペイン語を教えることで「伝える力」を高める機会をつくっています。またプロのお笑い芸人をゲスト講師に招き「スペイン語で覚える漫才」に挑戦しています。日本語の「もうちょっと待って」と、スペイン語の「ムーチョトマテ(トマトがいっぱい)」の発音が似ていることをオチとした漫才などを楽しむとともに、芸人のコミュニケーション力や人間力にも触れることで、学習意欲が増すことが期待できます。

将来に役立つスキル

こうした授業は、時に「生徒を甘やかしているのではないか」と言われることがあります。しかし、コーチングを受けた生徒の学力向上も近年証明されています。ティーチングを補佐するものとして、今後、コーチングの活躍が期待されます。
また就職の際には「何を学んだか」と同時に、「どう向き合ったか」も重視されるでしょう。コーチングを取り入れながら課題に取り組み、学びを深めることは、これからの時代に求められる21世紀型スキルの習得に役立つのです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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天理大学 国際学部 外国語学科 スペイン語コース 准教授 橋本 和美 先生

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語学

先生が目指すSDGs

メッセージ

選択肢の多い現代社会では、どこをめざすべきか、迷ってしまうのも当然だと思います。目標を無理に立てる必要はありません。目標が変化していくこともあるでしょう。何かを学ぶという行為は、習得できるかどうかに関わらず、自分を成長させるチャンスです。例えば、相手視点でのものの伝え方を身につけることができます。AIの台頭で、急速に複雑に進化していく時代の中で、学びの可能性を一緒に模索していきましょう。型にはまらず、がんばらずにがんばって、ともに歩んでいけること楽しみにしています。

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本学は1925年に天理外国語学校として設立され、2025年には創立100周年を迎えます。国際社会に開かれた大学として発展するとともに、学生同士はもちろん教員とも人間的なつながりを深めるための「少人数制教育」と「クラス担任制」で、学生一人ひとりの個性や理解度に応じたきめ細やかな教育を実践しています。 建学の精神に基づく、「宗教性」「国際性」「貢献性」という3つの柱を修め、社会の発展に寄与する人材を育成します。