自分自身を幸せにしてくれる社会参加活動「ボランティア」

自分自身を幸せにしてくれる社会参加活動「ボランティア」

人は支え合うことに喜びを感じる

人は、社会と関わりながら生きている生き物です。個人差はありますが、他者と関わり支え合うことに本能的に喜びを感じるものです。例えば、社会に参加する活動にボランティア活動がありますが、これは社会に貢献するだけでなく、支え合う喜びという幸せを自らに与えてくれます。加えて人はコミュニティに所属し、そこで認められると自信や自己肯定感を得られる傾向があるので、ボランティア団体に入り活動することもポジティブな感情を育みます。

認められることの大切さ

所属するコミュニティに認められることと自己肯定感の関係について、公立中学校2年生を対象にした調査研究があります。「先生に自分の長所を認めてもらっている」「友だちに好かれている」「家族に愛されている」と感じている中学生は、自分に自信がありました。一方、家庭の経済状況や将来の夢と、自己肯定感の高さにはあまり関連が見られませんでした。つまり、自分を好きになるにはお金や夢の有無よりも、コミュニティの中で「認められている」と感じていることが大切だと考察できます。こうした感覚が持てると、安心感や心の安定も得られ、それが幸福感につながります。

人の幸せを追求する社会福祉学

このように「社会に認められている、参加できている」感覚は、幸福感を育む大切なものであり、社会福祉学においても重要なカギになります。社会福祉学は、社会に生きるすべての人々が今よりも暮らしやすく、幸せに過ごすにはどうしたらよいかを考えて実践する学問です。
社会福祉には、めざす2つの基本的な理念があります。1つは、たとえ障害があっても当たり前の生活ができる社会「ノーマライゼーション」です。もう1つはさまざまな個性の持つ人をその多様性も含めてそのまま社会に受け入れて、認め合い生きる「ソーシャルインクルージョン」です。いずれも、人が社会で認められることの重要性を示しています。社会参加の有益性を知ることは、社会福祉学の基本を理解することでもあるのです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

埼玉県立大学 保健医療福祉学部 社会福祉子ども学科 准教授 保科 寧子 先生

埼玉県立大学 保健医療福祉学部 社会福祉子ども学科 准教授 保科 寧子 先生

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社会福祉学

先生が目指すSDGs

メッセージ

社会福祉分野の仕事では、相談をはじめとした他者の支援が重要となりますが、このとき「自分」を道具として活用します。人と上手に関わる方法を知る必要もありますが、まずは自分自身を知らないと、うまく関わることができません。自分は「こんなときイラッとする」「こんな場面が苦手」と知っていれば、気をつけることができます。得意な場面がわかれば「頑張ってみよう」と思えます。つまり、自分をよく知っていると良い仕事ができるようになります。人間に関心があり、自分を活用する方法を知りたいならば、ぜひ一緒に学びましょう!

先生への質問

  • 先生の学問へのきっかけは?
  • 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

埼玉県立大学に関心を持ったあなたは

埼玉県立大学は、保健・医療・福祉の「連携と統合」を目指し、学科を超えた地域活動・研究活動を行っています。多くの優秀な若者たち、明日の社会づくりの希望を持った若い力がいつかそれぞれの地域や職場で、あるいは世界のどこかで、高い志と豊かな感性、深い知識や技術を持って貢献できる可能性を秘めた人材として育っていけるよう全力で応援します。