インターネットやVR・ICTを活用して子どもとともに学ぶ!

インターネットやVR・ICTを活用して子どもとともに学ぶ!

教育問題の解決にICTを活用

新型コロナウイルスのパンデミックの最中には、多くの学校でオンライン授業など、コンピュータ、インターネットを活用した授業が行われました。このことからも、ICT(情報通信技術)は教育問題の解決に有効であることがわかります。教室にパソコンとプロジェクタがあるだけでも、豊富な教材を活用してよりわかりやすい授業ができます。
ヘッドマウントディスプレイ(HMD)などのVR(仮想現実)技術の活用に関しても多くの研究が取り組まれており、学習への効果が期待されています。HMDで臨場感のある映像を見て感情が動くことで、学習意欲や記憶の定着が向上するという研究結果も見られます。

海外協力の一環としてICTを提供・活用

ICTの教育への活用は、海外支援でも行われています。カンボジアは1960~70年代の内乱の影響で、現在でも教育環境があまり整っていません。教員が不足して、教科書の整備や効果的な学習メソッドの普及も遅れており、子どもたちの学力が低いという問題があります。
そこで、JICA(国際協力機構)の委託を受けて、日本の大学から教育の専門家と学生が現地に赴き、コンピュータ、プロジェクタの提供や、授業の支援・デモンストレーションなどを行っています。

ICT活用には教育工学が重要

ICTを教育に活用するためには、機器の整備だけではなく、教育工学的な知見も大切です。教育工学やインストラクショナル・デザインの研究では、学習の効果を高めるための各種の知見が得られています。例えば、カンボジアと日本の小学生たちの交流学習では、オンラインでリアルタイムにつなぐ前に、事前に手紙やギフトの交換、ビデオレターの視聴といったプロセスを設けます。こうした仕掛けを通して相手に対する興味が引き出されるため、実際にオンラインでつながったときに、言葉の壁を乗り越えて積極的に関われるようになるのです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

日本福祉大学 国際学部 国際学科 教授 佐藤 慎一 先生

日本福祉大学 国際学部 国際学科 教授 佐藤 慎一 先生

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教育工学

メッセージ

ICTの普及により、大学での学びでも、オンラインで学外とつながることが容易になりました。この際、対面かオンラインか、という二者択一で考えるのではなく、特性に応じて両方を適切に使うことが重要です。例えば、学生が海外で活動する際、現地での直接体験は何ものにも代えがたいことですが、実りある学びとするためには、ICTの活用やオンラインでの現地との連携も欠かせません。実体験を通じた実り多い学びの実現に向けて、教育工学という研究分野の知見を踏まえ、一緒に考えていきましょう。

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