スポーツはどうやったら強くなれるのか

スポーツはどうやったら強くなれるのか

発達段階と個性に応じたトレーニング

子どもの身体は、年齢によって発達の仕方が異なります。それを表したのが「スキャモンの発育曲線」です。11歳までは神経系が発達して、12歳~14歳は呼吸器系、15歳から18歳は筋肉系が発達するとされています。スポーツのトレーニングも発達の時期に合わせて行うことが大切で、技術力が要となる種目では、3歳ごろから始めることが望ましいと考えられています。例えば、スキーのオリンピック選手のほとんどは幼少期からスキーに親しんでいます。
発育段階に合わせても、各々の体格、性格、環境などは異なりますから、それに応じたメニューを考えることが必要です。兄弟や姉妹であっても同様です。

さまざまなデータ取得手段の活用

現在は多種多様なスポーツセンサが開発されており、指導者が購入できるレベルの価格帯になりました。マルチアングルでプレーを撮影することも、音を記録することも簡単にできるようになっています。しかし、得られた数値や映像、音源を、どのように分析してフィードバックすれば選手の育成に役立つのか、簡単にはわかりません。種目によって異なり、選手に応じた工夫も必要です。選手自身が自分でデータを分析して考える力を養いつつ、時には指導者が具体的なフィードバックを行うような、より効果的な方法の探究もスポーツ科学の研究テーマの一つです。

異なる力をバランスよく鍛えるために

冬季オリンピックの種目に「ノルディック複合」があります。スキージャンプとクロスカントリースキーの2種目を組み合わせた競技です。ジャンプはテクニック、クロスカントリーにはパワーや体力と、異なる能力が求められます。2種目の総合成績で順位が決まるため、両種目ともに強くないと勝てません。ただし、一方のトレーニングに力を入れるともう一方が弱くなる傾向があるために、バランス良く鍛える工夫が必要です。距離や角度を変えたプレー映像や連続写真をどう生かすかが、選手の育成を通じて研究されています。

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東海大学 国際文化学部 地域創造学科 教授 森 敏 先生

東海大学 国際文化学部 地域創造学科 教授 森 敏 先生

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スポーツ科学、コーチング論

先生が目指すSDGs

メッセージ

難しいことを一番学べる年代は、20歳前後の大学生時代だと思います。そこに学びのピークを持ってくることが大切です。受験勉強を必死に頑張っても、それは助走でしかありません。大学で遊んでしまっては、助走だけで終わってしまい、とてももったいないと思います。大学にはいろいろな専門の教員がいて、スポーツや勉強以外にも幅広く調べたり学んだりできます。受験勉強は、そこに行くための助走だということを理解して、自分の学びたいことをしっかりとつかみ、大学生活を充実したものにしてください。

先生への質問

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