人口減社会に立ち向かえ! 自治体もデータをフル活用する時代
人口が減るその先は
今の日本では少子高齢化が進み、労働の中心的な担い手である生産年齢人口も減っています。特に地方では若い世代が流出して、自治体では少人数の職員体制で広大な地域を管理する必要が出てきます。さらに、私たちの生活に欠かせない水道、道路、救急体制などに必要なコストの捻出も厳しい状況になっています。例えば急病になっても救急車が来てくれないなど、地域住民の生活基盤となる行政サービスの提供が難しくなるような時代がやってくるかもしれません。
自治体の「DX=デジタル改革」って?
企業に比べて、地方自治体では概してデジタル化が遅れています。このような状況に立ち向かうためには、自治体のデジタル化と組織改革が欠かせません。具体的にはまず、市政に関する情報などをすぐに分析できるようにデータの活用環境を整えます。同時にシステム設計をしたり、データ活用しながら政策を考えたりする自治体職員の育成も必要です。さらに正しく妥当な判断をしていくためにも、自治体全体がデータに基づいて意思決定をしていくことが大切です。例えば10年後の学校、道路、水道などをどこまで維持するかということも、小学校区ごとの人口予測などの必要なデータを前にして、さまざまな部署が話し合い、今後のことを決めていくのです。
厳しさも希望もすべてデータの中に
データによって示されるのは、危機的な将来予測だけではありません。ある地域で人通りの少ない商店街を盛り上げようと若い世代がマルシェを開いたとします。そこで自治体職員が、二次元コードを使ったアンケートやカメラによる画像解析、GPSによる人流データなどから、実際に「どれくらいの人がどこから来ているか」といったことを分析します。すると、そのイベントによって商店街がどれくらい活性化したのかなど活動の意義もしっかりとデータで確認できるのです。このように特別な思いを持って地域を盛り上げる行動や観光などでも、効果を上げるためのデータ活用がカギになると考えられます。
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