地方観光の魅力を伝えるインバウンド戦略
観光は10次産業
観光と聞くと主にサービス業をイメージするかもしれませんが、実は非常に多くの業界が深く関わっています。観光客はその土地で取れる野菜や肉・魚を食べ(1次産業)、お店でお土産を買い(2次産業)、ホテルやレストランや乗り物を利用します(3次産業)。また、スマホやパソコンを使って、人気のスポットやお店の情報を検索します(4次産業)。このように考えると、観光とは1次、2次、3次、4次、全ての産業が関連した10次産業です。観光を促進することは、その土地の全ての産業、経済を活性化させることにつながっているのです。
その地域ならではの魅力を伝える
コロナ禍が落ち着いて日本でもインバウンド(訪日)観光が回復しつつあるものの、今後はどうやって海外からの観光客を都市部以外の地方へと誘導するかが課題です。そのためには、日本の魅力からさらに一歩踏み込んで、その地域ならではの魅力を打ち出していくことが必要です。
その具体例の一つが、日本酒です。日本全国、各地域に日本酒を造っている蔵元があり、そのお酒の銘柄はそこでしか造られていません。また、日本酒造りは昔からの伝統だけではなく、現代日本の科学技術が融合しています。原料となる酒米の中心部がきれいに残るように磨く方法や、米の洗い方や蒸し方にもさまざまな先端技術が導入されているのです。日本酒は「ライスワイン」として国際的にも評価されており、日本の魅力、地域の魅力を伝える立派な観光資源の一つと言えるでしょう。
新世代の観光情報発信に向けて
観光でもSNSを利用した営業の重要性が増しています。そこで鍵となるのが、各メディアに慣れ親しんでいる若い世代の活躍です。実際に、関西のいくつかの地域では、大学生のグループがその地域の観光スポットを回り、若者から見た地域の魅力を伝える情報コンテンツの作成、発信が行われています。従来とは異なる、若い世代による観光情報の発信は、新しい時代の観光を作り出すと期待されているのです。
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