人生の終末を前向きにとらえられる、ハートフルな看護師をめざせ!
看護学は「人間学」
超高齢社会という時代を迎え、看護や介護を必要とする人の数も急増しています。それにともない、医療や福祉に関する雇用者数も増加しています。看護師にしても介護福祉士にしても、患者さんそれぞれの症状に応じた医療面の対応はもちろん、キメ細かな看護ケアが求められる現場のはずですが、医師も看護師も不足しているため、最低限の仕事に追われ、ケアに関心を持って取り組む余裕のないのが現状です。医療の知識や技術ばかりが先行しがちですが、看護学は「人間学」という側面もあります。人と接しながらケアの仕方を学ぶことこそ、本来あるべき看護の姿なのです。
看護師に求められる適応力と実践力
人の生死に関わる最前線に携わる仕事に、高い志を抱いている看護師は大勢います。しかし厳しい現実を目の当たりにし、離職してしまう人が多いのも事実です。十分な知識も技術も持ち合わせているのに、心のケアという場面で壁にぶつかり、乗り越えられないことが多いのです。
現場に出て、自分の祖父母よりはるかに高齢な患者さんと向き合うことは、確かに困難をともないます。小児病棟では子どもはもちろん、親の心のケアにも関わる場合もあります。患者さんが抱える問題も家族の背景も異なる現場で、どのように患者さんと接するのか、そのために必要な適応力と実践力をどう養っていくかが、看護の現場に課せられた大きなテーマのひとつです。
人生の終末を前向きにとらえ、患者さんと向き合う
看護や介護の現場では、必然的に「死」は隣り合わせに存在します。しかし生きとし生けるもの、いつかは必ず終末を迎えるのです。そのことをポジティブにとらえられる教育は、これからとても重要になるでしょう。
「この看護師さんに会えてよかった」、今、求められているのは、そんな言葉を最後に残してもらえる看護師や介護福祉士です。患者さんや、その家族から「ありがとう」と感謝してもらえたときほど看護師、介護福祉士という職業のやり甲斐を感じるときはありません。
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先生情報 / 大学情報
東北文化学園大学 医療福祉学部 看護学科 准教授 庄子 幸恵 先生
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