試験や試合前などの緊張、ドキドキは克服できる?
プレッシャーには負けられない!
「定期試験で緊張してしまい、実力を発揮することができなかった。同じことが大学受験でも起こってしまったら……」そんな不安に駆られる人は多いのではないでしょうか。
これは試験でも、大勢の人の前に立つプレゼンテーションでも、さらにはスポーツの試合などでも起こりうることであり、問題になるのはプレッシャーです。プレッシャーにさらされたときに、人の心や体にどんな影響が出るのか、またその対処法について、スポーツの観点から追っていく研究が行われています。
緊張を受け入れて、その対処を行う
実験室でプレッシャーのある状態とない状態でのプレーを比較してみたところ、熟練者でも初心者でもプレッシャーのある状態では体の動きが縮こまっていることが判明しました。これをほぐして「いつもの自分」を維持するための対処法も、すでにいくつか見つかっています。
一つは心や考え方からアプローチする方法です。そもそもプレッシャーを感じるのは悪いことではなく、危機的状況から身を守るために起こることで、これは人の進化の過程とも結びついています。緊張して起こる心臓のドキドキは、運動能力などを高めていくための人に備わった無意識の準備運動なのです。それを理解していると、プレッシャーをうまく利用できるようになると考えられています。
またもう一つは、体の動きからアプローチする方法です。意識してポジティブな表情をつくる、姿勢を良くする、たったそれだけで気持ちが積極的になることもわかっています。
さまざまな場面での効果を検証
このようなプレッシャーへの対処はメンタルトレーニングの場にも取り入れられており、スポーツだけでなく多くのシーンで応用されています。今後この研究は、インタビューやアンケート調査も取り入れながら「プレッシャーの意味を理解した人がメンタルトレーニングを経て、どんな効果が出たか」を調査していくことになっており、その結果に大きな期待が寄せられています。
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先生情報 / 大学情報
広島大学 総合科学部 総合科学科 教授 関矢 寛史 先生
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