その人がその人らしく生活することを支える看護
看護の本質を知ることが看護職としての誇りに
看護職を志すためには、看護とはどのような活動であり、そこにはどのような意義があるのかを理解することが大切です。看護職は、治療への援助と同時に、「起きる、食べる、入浴する、排泄する」などの日常生活を援助しています。それらが困難な患者さんに必要なだけの看護ケアを提供し、励まし、生きる自信を回復させ、「その人がその人らしく生きていく」ことを支えています。つまり、看護職の提供するケアは、人々にとって大変価値あるものなのです。こうした自覚を強く持つことが、看護職としての誇りにつながります。看護学では、看護の対象となる人を身体的、心理的、社会的な側面からトータルに理解し、働きかけようと努めています。したがって医学知識や看護技術の習得はもちろんですが、それだけではなく、人について心理的・社会的な側面からも学ぶことが重要になってきます。
責任があるから緊張も大きい
看護職とは、人の命と向き合う非常にやりがいのある職業です。その一方、さまざまな病状や年齢層の患者さんをサポートするため、強い緊張やストレスを感じる場面も少なくありません。長い間看護師は自分のストレスについては語らず仕事をしてきましたが、最近の看護学では、看護師がいかにストレスと向き合い、充実感を持って働けるかという研究も進んできています。看護師が元気であれば、それが患者さんの心の支えになるのです。
広い視野が看護学を発展させる
看護の本質をよく理解し、その役割の重要さを知ると、より良質な医療や看護の提供に向けて視野も広がっていきます。チーム医療の中で看護職がどのような役割を担っていくのかについての関心や、超高齢社会が急速に進展する我が国にとって、どのような医療提供体制が必要なのか、あるいは世界のどの地域でどのような医療援助が必要とされているのか、そのために看護職は何ができるのかなど、さまざまな問題意識へと発展していきます。こうした広い視野を持った看護職こそ、現代社会に求められる看護職なのです。
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