企業・行政の「生きた課題」から学ぶPBL=課題解決型学習
PBLとは
大学の特徴的な学びに「PBL(Project Based Learning)」があります。これは学生がある課題について考えて、それを解決するために必要な能力を身につける「課題解決型学習」です。PBLは、企業(産業)と行政、大学が連携する「産官学連携型プロジェクト」にすることで、より実践的な取り組みにすることができます。例えば旅行会社が求める新たな観光商品の開発や、都市開発の過程で生じた地域間の課題を解決する方法など、行政や企業が実際に抱えている「生きた課題」を与えて、学生たちはチームを組んでその要因や解決法を考えます。
PBLの4ステップ
PBLは、次の4つのステップに沿って進めることが有効です。1.まずは情報を収集して、課題の背景や現状、あるいは企業や行政の強みの分析を行います。2.対象となる顧客ターゲットについて調べて、顧客が求める価値や満足度、ニーズを整理します。3.需要と供給がマッチしていない部分を明らかにして、4.「現状の商品やサービス、あるいは考え方を改善する」もしくは「ニーズにマッチする商品・サービスを開発する(イノベーション)」のどちらかの方法で、課題の解決策を提示します。4.においては学生自らが提案書を作成してプレゼンテーションを行い、それに対して企業や行政からフィードバックが行われます。
ファシリテーションの力
一般的なPBLで扱う、教員が用意した仮の課題とは異なり、こうした生きた課題は学生にとってときに難しいことがあります。しかしその解決をめざす中で得られる知識や経験は、社会に出た際に大いに役立ちます。一方、企業や行政にとっては、大きなコストがかからず、また学生ならではの「目からうろこ」の発見・解決策が得られるかもしれないというメリットがあります。関わる企業や行政の協力をお願いしますが、学生と企業・行政とを結ぶ大学側がうまくかじ取り(ファシリテーション)を行い、双方にとって得られる成果を最大化することが大切なのです。
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