環境負荷の少ない食品を選びたい

環境負荷の少ない食品を選びたい

環境負荷の少ない食料生産とは

食料の生産活動は、地球の環境に影響を及ぼします。環境が悪化すれば食料生産の持続は不可能であるため、環境への負荷の少ない食料生産が必要です。加えて、消費者も値段や鮮度だけでなく環境への影響が少ない食品を選ぶべきでしょう。
例えば日本の主食であるコメは、国内産とアメリカからの輸入品とでどちらを選ぶべきでしょうか。肥料や農薬の使用量は日本が多い一方で、大規模農業であるアメリカでは耕作機械の燃料の使用量が多い傾向です。さらに、長距離の輸送は多くの燃料を消費するため、もしアメリカ産のコメが日本市場を席巻して国内の稲作が衰退すれば環境に大きな影響を与える可能性もあります。つまり、単一の要素だけを比較しても、どちらかのコメを選ぶことはできません。

食肉と環境問題

こうした比較を行う際に、「エコロジカル・フットプリント」という指標があります。これは自然資源への需要を、必要な土地面積で表現したものです。例えば食肉の場合、畜産場の土地だけでなく、牛肉ならば食肉1kgに対して16kg(豚肉は6kg、鶏肉は3~4kg)にもおよぶ飼料の穀物を生産する土地や、家畜が排出する温室効果ガスを吸収するための森林面積なども含めます。日本は食肉の多くを輸入に頼っており、国産肉でも輸入飼料が7割以上を占めています。エコロジカル・フットプリント指標でみると、輸出国の多くは自然資源の需要量が国内で供給可能な量を超えている状態です。食肉の輸入に頼る以上、自然資源の余裕がある国から輸入するほうが、食料システムの持続可能性が高いでしょう。

環境に関する指標

消費者がこのような環境への影響を意識して食品を購入できるように、食品ごとに指標を表示する仕組みの導入が望まれます。すでに行われている成分やカロリーの表示のように、二酸化炭素の排出量などの環境指標も表示が義務化されるべきでしょう。一人ひとりの消費者が環境に配慮した買い物の意識が高まることで、将来的にも持続可能な食料システムの維持が可能となるはずです。

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先生情報 / 大学情報

新潟食料農業大学 食料産業学部 食料産業学科 ビジネスコース 講師 車 競飛 先生

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食料経済学、環境経済学

先生が目指すSDGs

メッセージ

現在、私たちは大きな環境問題に直面しています。以前は、経済成長や景気をよくすることが優先されて、環境問題の解決は後回しにされていることがありました。貿易や経済の発展、モノの消費が社会の進歩とされ、その結果、地球は深刻な状態に陥ってしまったのです。これまでの古い価値観を転換しない限り、環境問題を本質的に解決することは難しいでしょう。日常の食事を含む消費行動において、環境への負担を軽減する方法を考えて、持続可能な社会を築く意識が重要です。

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“Farm to Table to Farm”は「農場から食卓へ、そして農場へ」という意味です。食物は、農場で生産されてから多くの人の手を経て食卓に届けられ、この流れを「フードチェーン」とよび、農場から人々の食卓まで、フードチェーン全体をつかさどる産業を食料産業とよんでいます。本学では、新しい食料産業を作り出すために不可欠な科学(サイエンス)、技術(テクノロジー)、経済活動(ビジネス)を一体的に身につけます。日本の農業を変え、さらに世界をリードする新しい食料産業をともに生み出していきましょう。