面接で高い評価を受けた人は、本当に活躍するのか?
面接試験は本当に優秀な人材を選べている?
日本の多くの企業では、社員を採用する時に面接試験を行います。果たして面接で高い評価をもらった人は、入社後に本当に活躍しているのでしょうか。十数社の企業データを活用した調査によると、必ずしも活躍していないことがわかりました。つまり面接試験は、本当に企業で活躍できる人材を選べていないと言えます。それは面接を行うこと自体が悪いのではなく、企業側が役に立つ面接をきちんとアレンジできていないからです。
あいまいな「優秀な人材」の概念
どの企業でも「優秀な人材」が欲しいのは同じです。しかし、自分たちが「どのように優秀な人材が欲しいか」を明確にできていません。だから面接の質問や基準があいまいになって、大学の偏差値や話のうまさで感覚的に選んでしまうのです。「優秀」という言葉は多義的なので、そこをはっきりさせる必要があります。現在は、面接よりも適性試験の結果のほうが実際の活躍を予測できるという知見もあります。またアメリカの研究では、インターンシップのように、より仕事に近い環境での成績を評価したほうが、実際の活躍に結びつくという結果も出ています。
求職者が試験方法を選ぶ「カフェテリア採用」
しかし、面接のやり方によっては、本当に企業に役立つ人材を採用することも可能です。あるメーカーでは、求職者が自分で採用方法や試験日時をカフェテリアのように選択できる「カフェテリア採用」を実施しました。「話すのは苦手だけど、企画やアイデア出しは得意なので見てほしい」「会社の商品が大好きなので、それについて議論したい」など、新しい面接方法で、会社で活躍できる人材を確保しています。さらに求職者と企業の間では、どのくらいの能力があるか、欲しいかという「能力のマッチング」や、どのようなことをめざして働きたいか、働いてほしいかという「期待のマッチング」も大切です。それらが一致すれば、個人と企業の両者が幸せになれるはずなのです。
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